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「刺激的な」久保建英や伊東純也ら以上に「最も驚かされた」のは…「EURO4強でも不思議ではない」トルコ記者の“リップサービスなし森保J評” 

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カーン・バヤズツ

カーン・バヤズツKaan Bayazıt

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2023/09/20 11:04

「刺激的な」久保建英や伊東純也ら以上に「最も驚かされた」のは…「EURO4強でも不思議ではない」トルコ記者の“リップサービスなし森保J評”<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

トルコ人記者も舌を巻いた久保建英の安定したプレーぶり。しかしそれ以上に衝撃を受けた選手とは誰?

 筆者の同僚は、「Jリーグにはこんなに良い選手がいるのか! 欧州にやってくる日は近いはずだが」と感嘆していた。25歳でも国際的にほとんど知られていなかったのは、大学卒業後にプロになったからか。三笘薫らにも共通することだが、そのキャリアパスは欧州にないものだ。実に興味深い。

久保はまるでダビド・シルバの若かりし頃

 2列目の3人も強烈な印象を残した。

 2、3点目を決めたのは中村敬斗だったが、個人的には久保建英が一番刺激的だった。敏捷性とスキルをそのままに、明らかに自信を深めており、昨季までレアル・ソシエダで共にプレーしていたダビド・シルバの若かりし頃を想起させた。

 後半から中村敬斗と堂安律の両ウイングに代わって伊東純也と前田大然が投入され、トルコに1点差に迫られた後、伊東はとてつもないスピードのドリブルで右サイドをぶち抜き、ボックス内でイスマイル・ユクセクに手で倒された。これで得たPKを伊東が自ら決めて、勝負をつけた。この4人に加え、三笘も控えていた日本のウイングは、世界的に見ても稀有な選手層を誇っている。森保一監督にとって、贅沢な悩みになっているはずだ。

 その豪華な前線の両サイドに比べると、中央のクオリティーは見劣りする。この日は古橋亨梧がフル出場したが、複数のチャンスをゴールに結び付けられなかった。セルティックでは難なくゴールを決めているようだが、代表では別の顔を見せるタイプなのかもしれない。

今の日本は“正真正銘の強豪国”と言っていい

 いずれにせよ、今の日本代表は正真正銘の強豪国と言っていいだろう。

 試合後、トルコのクンツ監督は「我々は日本と同じレベルにはない」と認めている。また元代表FWニハト・カフベチは地元メディアのYouTubeチャンネルで「誰が日本との対戦を組んだんだ? 前回のW杯での彼ら(日本)のプレーを観たか? トルコ代表は今、ひどい状態にあるのだから、こんなマッチメイクをすべきではなかった」と言った。

 2002年の日韓共催大会に出場した代表OBは(同大会の3位は金字塔ながら、その後は5大会連続で予選敗退中)、低調なトルコの状態を上げるには、もっと与し易い相手とフレンドリーマッチをすべきだったと言ったわけだ。

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