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イングランドにある日本の高校? FC東京バングーナガンデ佳史扶と野澤大志ブランドンが「帝京ロンドン学園」の魅力に迫る

posted2023/09/25 11:00

 
イングランドにある日本の高校? FC東京バングーナガンデ佳史扶と野澤大志ブランドンが「帝京ロンドン学園」の魅力に迫る<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

右から、FC東京 バングーナガンデ佳史扶選手、帝京ロンドン学園 内田勝氏、三谷大輔氏、野澤大志ブランドン選手

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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Takuya Sugiyama

 日本代表の“ジャイアントキリング”や、ヨーロッパ各国リーグに所属する選手たちの活躍で新たな次元に入りつつある日本サッカー。それはひとえに強豪国から学びつつ、いかに日本らしいサッカーとして発展させていくかという姿勢があるからこそだろう。

 1人1人の選手、国内の各クラブだけではなく、学校レベルでもそうだ。それを「在外教育施設」という立ち位置で模索しているのが「帝京ロンドン学園高等部(以下帝京ロンドン学園)」だ。同校にあるサッカーコースでは、提携する現地のサッカーアカデミーに生徒たちを参加させるなど、フットボールの母国のエッセンスを学べるカリキュラムがあるという。

 同校サッカーコースの主任で自身もイングランドのセミプロでプレーする教諭の三谷大輔氏、教頭の内田勝氏と、Jリーグの舞台で活躍するFC東京のバングーナガンデ佳史扶選手、野澤大志ブランドン選手との座談会をお届けする。

サッカーの母国、イングランドにある日本の高校

――まず両選手にお伺いしますが、イングランド、そしてロンドンという街のイメージと言えば?

野澤 やっぱりサッカーですよね。自分たちも東京という首都のクラブの一員ですが、ロンドンの人たちは皆サッカーが好き、もっと言えばすべてのエンターテイメントの中でナンバーワンの存在なんじゃないかと想像しています。

バングーナガンデ 僕はU-18日本代表に招集されたときにイングランドと戦ったことがあります。その時に出ていた1人に現在リバプールに所属しているカーティス・ジョーンズ選手がいるんですが、フィジカルなどがずば抜けていて、今でも大きな衝撃として記憶に残っていますね。

――そんなサッカーの母国であるイングランドで、「帝京ロンドン学園」という学校があります。

内田教頭 帝京ロンドン学園という学校(在外教育施設)について簡単に説明しますと、「ロンドンで寮生活をしながら日本の高校の授業を受けられる施設」と捉えてもらえればイメージしやすいと思います。本学園を卒業すると日本の高校卒業資格が取得できるため、海外だけでなく日本の大学にも行ける仕組みになっています。その中で国内外の大学進学を目指すグローバルスタディーズコースと、それぞれの学びに特化したサッカーコース、アートコースの3つのコースを運営しています。

野澤 サッカーコースは、どのような学校生活なんですか?

三谷 一般的にサッカー留学をする場合、ほとんどが短期間の観光ビザがベースなので、ビザを更新できるかどうか不安定な状況のなかで留学することが多いです。一方、本学園はスポンサーの資格を有しているため、本学園に在籍することで3年間の学生ビザが取得でき、安心して海外でサッカー及び学校生活を送ることができます。具体的には、原則毎日4時間目まで日本の教育課程に沿った授業を受け、午後からは本学園が提携している現地のサッカーアカデミーに通い、英語での指導を受けます。また、サッカーコースでは、通常のサッカー指導だけでなく、栄養学や試合分析といった知識や、コーチングライセンス取得に向けた学習、サッカークラブの運営やマネジメントといった、サッカーを多角的に学べる機会を多数設けています。おふたりはFC東京のアカデミー出身ですが、その頃はどのような生活リズムでしたか?

野澤 学校は別だったので、それぞれ登校して夕方に帰ってきたらすぐに練習に行って……という感じでした。チームメートと遊びに行ったり、仲良く過ごしていたのがいい思い出です。

バングーナガンデ そうだね、僕はアベンジャーズが大好きなので映画を見たり(笑)。帝京ロンドン学園の寮生活はどんな感じなんですか?

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