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「リバプール移籍は…正直、信じたくなかった」ブッフバルトが“功労者”キャプテン遠藤航へ別れの言葉「ワタルはワタルのままで」 

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円賀貴子

円賀貴子Takako Maruga

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posted2023/08/27 17:01

「リバプール移籍は…正直、信じたくなかった」ブッフバルトが“功労者”キャプテン遠藤航へ別れの言葉「ワタルはワタルのままで」<Number Web> photograph by Getty Images

新天地リバプールでデビューを果たした遠藤航。シュツットガルトでの活躍を見守ってきたブッフバルト氏は感謝を述べた

 キャプテンで、しかもシーズンが始まってからの移籍だから(移籍が決まったのはリーグ戦開幕直前だったが、1週間前にカップ戦は始まっていた)、もちろんいろんな人と話をしたよ。シュツットガルトの元選手、ハンジ・ミュラーをはじめとするレジェンドたちはみんな口を揃えて「これは大打撃だ」「こんなことがあっていいのか!」と言っている。そしてみんな、チームがこの大損失をできるだけ早く補えることを願っている。ショックを受けたチームによくない影響があるのではないかと誰もが心配をしていたけれど、幸いなことにそうならなかった。

 もちろん、リバプールが提示してきた移籍金の額は悪くなかったし、ブンデスリーガ第1節のボーフム戦(5−0)でのように、監督はこれから、ワタルの抜けた穴をどうにかうまく補うこともできるかもしれない。しかし、ワタルを1対1で置き換えることはできない。少しやり方を変えて、2〜3人で補わなければならない。

 それが初戦でうまく行ったので、私は本当にホッとしているよ。もしうまく行かずに負けでもしていたら……シーズン開幕直前でワタルがチームを去ったことを、みんながネガティブに見ていたかもしれないからね。

シュツットガルトは夢を邪魔しないクラブ

 ただ、クラブに大きな貢献をしてくれた選手が自分の夢を叶えたいと願い出た時に、その道を邪魔しないというのは、シュツットガルトというクラブの良いところ、評価すべきところだと思う。だから、もしこれからまた日本人選手に獲得の打診が行くとしたら、このクラブは選手個人の目標のことも考える良いクラブなんだよ、とおすすめしたい(笑)。

 ちなみにリバプールのユルゲン・クロップは、シュツットガルトのあるシュワーベン地方の出身なんだ。ワタルは本当に優れた監督のもとに行ったよ。それにリバプールはクラブとしても素晴らしいしね。そしてワタルもそれに見合うくらい、選手としても人としても成熟している。リバプールにとっても、ワタルは大きな補強となるだろう。最初からきちんとチャンスが与えられるであろうことは、私も確信している。

【次ページ】 「ワタルの言葉をチーム全員が聞いていた」

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