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「あの体型でついていけるのか?」スカウトの疑念…“メジャー3000本安打”大記録の日、なぜイチローは悔しがったのか? 記者が見た「逆風と自信」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2023/08/08 11:01

「あの体型でついていけるのか?」スカウトの疑念…“メジャー3000本安打”大記録の日、なぜイチローは悔しがったのか? 記者が見た「逆風と自信」<Number Web> photograph by Getty Images

2016年8月7日(日本時間8日)、メジャー通算3000本安打を達成したイチロー

イチロー「自分で説明ができるプレーをしたい」

 3000安打を放った際にイチローは言った。

「ただバットを振って……。まぁ、バットを振ること、それ以外もそうですよね。走ること、投げること。全てがそうですけれども、ただそれをして3000本はおそらく無理だと思いますね。瞬間的に成果を出すことはそれでも出来る可能性はありますけども、それなりに長い時間、数字を残そうと思えば、当然、脳みそを使わなくてはいけない。まぁ使いすぎて疲れたり、考えてない人にあっさりやられることもたくさんあるんですけど、でもそれなりに自分で説明ができるプレーをしたいというのは僕の根底にありますから、それを見ている人に感じていただけるなら、とても幸せですね」

 通算3089安打。米国の野球殿堂入り資格を得るのは引退から5年後、イチローの場合は25年になる。20年に選出された通算3465安打のデレク・ジーター(ヤンキース)は得票率99.75%、歴代最多の652セーブを挙げた19年のマリアノ・リベラ(ヤンキース)は100%だった。イチローはすでに得票率が注目の的であり、選出を疑う者はいない。記念すべき3000安打を打ったあの日から7年。日本人野手の道を切り拓き、メジャーの歴史にその名を残したイチローの奮闘を思い起こした。

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