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《マツコの知らない世界で話題》なぜ西武本拠地は“クラフトビールとスタグル改革”したか…「食でも楽しめるスタジアムを目指したい」

posted2023/08/07 17:03

 
《マツコの知らない世界で話題》なぜ西武本拠地は“クラフトビールとスタグル改革”したか…「食でも楽しめるスタジアムを目指したい」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

マツコの知らない世界で取り上げられ、話題沸騰のベルーナドームの飲食。そのエッセンスを荒木浩基営業部長に聞いた

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Tadashi Hosoda

 野球選手の一投一打を楽しむとともに、近年は球場のボールパーク化が進んでいる。その1つの要素のエッセンスである飲食について、テレビ番組『マツコの知らない世界』で話題になったベルーナドームを本拠とする西武ライオンズの担当者、そしてビールの売り子さんに話を聞いた。《全3回の1回目/#2#3につづく》

『マツコの知らない世界』は、今や各企業のマーケティング、商品開発担当必見の番組と言われる。7月4日は「スタジアムグルメ(球場飯)の世界」、18年間で全国のスタジアムグルメ3000食を食べ歩いたという親子が紹介する目くるめく球場飯のオンパレードだった。

約180億円を投じた練習施設、環境一新で…

「実は、当社も番組取材に協力させていただいたのですが、放映直後からベルーナドーム内の石焼窯で焼くピザとクラフトビールが売りのL's CRAFTの前に大行列ができました。この番組の威力を改めて思い知らされました」

 こう話すのは、株式会社西武ライオンズ営業部の荒木浩基部長である。

 筆者は2021年にベルーナドーム(当時はメットライフドーム)大改装の内見会を取材したが、とにかくグルメと物販エリアの充実は、目をみはるばかり。ことに飲食エリアの充実は、「球場グルメ」の概念を変えるものだと感じたし、取材日にも開場するとともに「L's CRAFT」へと向かうファンが大勢いたほどである。

 そうした店舗のイノベーションを推進したのが荒木部長だった。

〈2017年から始まって2021年に終わった大改装は、約180億円を投じて練習施設や環境を一新することによる“チーム・育成の強化”と“野球場での楽しみ方を変える”ことを主眼にしていました。 今までの観戦スタイルは、球場に来て自身の席で飲食をしながら試合を観戦するというものでしたが、レジャー、エンタメとして、極論を言えば野球の試合を観なくても一日楽しく過ごせるようなものに変えていきたい、楽しみのバリエーションを拡げたいと思っていました〉

球場の飲食シーンを変えるという試み

 荒木部長は、球場の飲食シーンを変えることを考えていたのだ。

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