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井上尚弥本人が「筋肉も喜んでるわ」と投稿…SNSで話題の“鎧のような肉体美”を激写したカメラマンのスゴ技「背筋にピントを合わせました」 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2023/07/29 18:25

井上尚弥本人が「筋肉も喜んでるわ」と投稿…SNSで話題の“鎧のような肉体美”を激写したカメラマンのスゴ技「背筋にピントを合わせました」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2023年7月25日のフルトン戦。ダウンを奪った8Rの左フックで、井上尚弥の筋肉は彫刻のように浮き上がった

「瞬時にピントを井上選手の背中に合わせました」

 そして試合は8RのTKOの場面へと進んでいく。フルトンが「見えなかった」と語る左ボディからの右ストレートでぐらつかせると、渾身の左フックで仕留めにかかった。

 井上が投稿した2枚目は、その左フックのインパクトの瞬間を収めた貴重なもの。肩回り、背中の筋肉がボコボコとブロック状に浮き出ているのがよくわかる写真だ。このようにクッキリと筋肉の表情を活写した背景には、杉山のスゴ技があった。

「右ストレートでフルトン選手がよろめいた瞬間に、『次、決まるな』と。そして、瞬時にピントを井上選手の背中に合わせました。改めて写真を見返しても、本当に信じられない肉体ですよね(笑)」

 瞬間的な機転を利かせられたのは、なぜだったのか?

「カメラマンは無意識のうちに、選手の顔が正面を向く構図を狙うことが多いです。しかし今回の井上選手の撮影に関しては、背中の筋肉も重要な要素として意識していました。左フックの場面は、セオリー通りにいけば正面のフルトン選手を意識しながら井上選手のパンチを撮るのですが、この時は少し違った感覚だったかもしれません」

カメラマンが明かす撮影の舞台裏

 満員の観客が圧巻のTKO劇に酔いしれた有明アリーナ。リングサイドではなく2階のカメラマンエリアから撮影を行った杉山は、選手とその鮮明な肉体美を撮るため、いくつかの工夫を施してもいた。

【次ページ】 「写真を通して肉体の凄さも伝えられたら」

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