自慢のストレートを弾き返される場面が多くなっても、動じていなかった。

「開幕の時期に比べたら、多少は疲労もありますし、まっすぐが落ちてくるというのはわかっていた。想定はしていました。もちろん落とさないようにはしますけど、状態がよくない時にどうするかが大事。1年間、毎回めちゃくちゃいいというピッチャーはたぶん誰一人いないので。なんなら調子が悪い時のほうがたぶん多いと思うので」

次代の日本代表を担う右腕はまだまだ進化を続ける　©︎JIJI PRESS

　ストレートが走らない日もあれば、カーブが不調な日もある。だがそれでランナーを出したとしても、そこからギアを上げる。ここで点を取られたら相手に流れが行く、というような勝負どころで得点を許さない“勝負勘”を備えている。だから8勝を積み重ね、防御率も1.49という数字を残してきた。

選手間投票で山下が投票した投手は…

　7月19、20日のオールスターゲームには、選手間投票で初選出された。2位佐々木朗希（ロッテ）や3位山本由伸を抑え、167票を集めての選出だ。

「びっくりしました。いろんなすごい選手がいるのに。選手間で選ばれたということが一番嬉しかったです」と満面の笑みを浮かべた。

　ちなみに山下自身は、仲がいい先輩の宮城大弥に投票したという。

初のオールスターで先発予定

　初めてのオールスターを前に、「まっすぐで行きたいですね。いろんな人にいろんなことを聞いて帰れたら、後半戦につながるので、惜しまず聞きたいと思っています」と楽しみで仕方がない様子だった。

　山下は20日に行われる第２戦での先発が予定されている。

　野球への好奇心が尽きない伸び盛りの大器が、球宴でもまた大きなお土産を手に入れて帰ってくることだろう。

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