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「単純なぶつかり合いなら…」『サンクチュアリ』撮影参加の一流アメフト選手に聞いてみた「相撲とアメフト、どっちが強い?」 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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photograph by本人提供

posted2023/07/21 17:00

「単純なぶつかり合いなら…」『サンクチュアリ』撮影参加の一流アメフト選手に聞いてみた「相撲とアメフト、どっちが強い?」<Number Web> photograph by 本人提供

日本アメフト界では現役トップクラスのラインマンであるotonari福岡SUNSの岩元駿介

 岩元の言うように、とかくアマチュアスポーツの選手は結果を出すことにこだわりがちだ。

 それ自体はもちろん間違いというわけではない。ただ、マネタイズ面や人気の面を考えた時に、それだけで本当に正しいか否かは一考の価値があるのも事実だろう。

「あとは単純に他の俳優さんたちはそれで飯を食っていて、そういう人たちが必死にオーディションを受けにきているわけじゃないですか。それに対して、『アメフトがあるんで』とか『仕事があるんで』みたいな言い訳をしながらでは、受かってもとても撮影なんてできないだろうと思ったんですよね」

数カ月以上かけたオーディションの結果は……?

 そんな岩元の必死さは、確かに伝わったのだろう。

 稽古という名のオーディションがはじまって数カ月がたった2020年の秋口、突然岩元の携帯電話が鳴った。

「2回電話が来たのかな。1回目は『ぜひキャストとしてお願いしたいです』という連絡があって、そこから間を置かずにもう一度電話が来て。『馬狩という役をお願いしたい』という話でした。もともとオーディションでは(※主役の猿桜の部屋の先輩に当たる)猿河と高橋の役のセリフを読んだりしていたんで、そのどっちかかと思っていたんですけど……」

 もちろんこの時点ではまだ台本も渡されておらず、『サンクチュアリ』がどの程度の規模の作品なのか知る由もない。それでも長い時間を費やしたオーディションを突破できたということは、シンプルに岩元にとっては嬉しい出来事だった。

 現役力士顔負けの稽古を経て、140㎏だった体重は実に160㎏まで増えていた。特徴を出そうと伸ばしはじめたもみあげは、トレードマークになるほどに育っていた。

 そうして長期の選抜を経てようやくたどり着いた演技の場は、まさに岩元にとっての“聖域”だった。しかし、実際に撮影に挑んでみると、そこにはさらなる苦労が待っていたという。

(つづく)

◇◇◇

#2では、撮影で感じた俳優陣の凄みや、話題のシーンのウラ話についても語ってくれた。

岩元 駿介(いわもと・しゅんすけ)

1993年2月10日、福岡県北九州市出身。小学校から高校までの12年間は柔道部に所属し、中央大学進学と同時にアメリカンフットボールのキャリアをスタートした。大学卒業後は九州の銀行に勤務しながら、社会人アメリカンフットボールチーム「otonari福岡SUNS」でプレー。現在は不動産会社の代表を務める。Netflixのオリジナルドラマ『サンクチュアリ -聖域-』の馬狩役で役者デビュー。183cm、160kg

#2に続く
<“元人気芸人”からのアドバイスも…>「相撲」も「演技」も素人のスポーツ選手が『サンクチュアリ』でライバル力士を演じられた“意外な秘密”

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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