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巨人へ電撃トレード「発表前日は山口宅で“たこ焼き”を…」佐々木朗希ら4人の証言で辿る“25歳長身右腕”がロッテで愛された証

posted2023/07/07 17:06

 
巨人へ電撃トレード「発表前日は山口宅で“たこ焼き”を…」佐々木朗希ら4人の証言で辿る“25歳長身右腕”がロッテで愛された証<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

巨人へのトレードが決まった小沼健太(右)。よく食事を共にしていたという佐々木朗希は先輩にエールを送った

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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 別れは突然、訪れる。

 7月3日、マリーンズはプロ3年目を迎えた小沼健太投手(おぬま・けんた/25歳)が、ジャイアンツへトレードで移籍することを発表した。

 ZOZOマリンスタジアムでトレードを告げられた小沼は、リリースされた後に一塁側ロッカールームに足を運んだ。試合のない月曜日のロッカーは閑散としていたが、先発登板に備えた2人の投手の姿があった。西野勇士投手と佐々木朗希投手だ。

 小沼の口から移籍が決まったことを告げられると、2人とも目を丸くして驚いた。西野はエールを送り、佐々木は寂しい想いを何度も口にした。その模様はマリーンズ広報室Twitterに動画でアップされ、大きな反響を呼んだ。

 小沼がロッカーから去っていく姿を「寂しいです」と名残惜しそうに見つめる佐々木。「もう、いいよ。ありがとう。頑張れよ」と照れながら手を振る小沼。その映像は多くのファンの心に残った。

朗希や山口など後輩が慕う人柄

 一緒によく食事をした。寮で、遠征先ホテルの食事会場や試合前の球場での食堂で。佐々木が昨年1月にインスタグラムを開設した際、やり方が分からず、苦労している時に投稿の仕方などを丁寧に教えてくれたのが小沼だった。佐々木は「すごく丁寧に教えてくれたのが印象に残っています。いつも優しく見守ってくれているような人。本当に優しい先輩」と寂しそうに話した。

 その人柄から多くの後輩選手たちから慕われていた。トレード翌日の7月4日のライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)、5番右翼でスタメン出場した山口航輝外野手は、第1打席で小沼がマリーンズ時代に登場曲として使用していたLittle Glee Monsterの『はじまりのうた』を使用して打席に向かった。惜別の想いだった。

 試合後、「小沼さんの登場曲を使ったら打てませんでしたよ!」と連絡を入れると「悲しすぎて涙が出て、ボールが見えなかっただけだろ。分かっているよ」とすぐに返信があったという。そんな仲だった。

【次ページ】 トレード前日は山口宅でたこ焼き

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