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「カマダは過小評価されている」“古巣”の監督、ファン、長谷部誠が語る鎌田大地“ココがスゴイ”「いなくなって初めて“カマダロス”の大きさが…」 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/06/07 11:02

「カマダは過小評価されている」“古巣”の監督、ファン、長谷部誠が語る鎌田大地“ココがスゴイ”「いなくなって初めて“カマダロス”の大きさが…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

フランクフルト退団が発表された鎌田大地。これまで鎌田を見続けてきた“古巣”の関係者が語る、鎌田が評価され続けてきた理由とは?

約5年間で見せた成長

 だが、インテリジェンスやセンスだけでブンデスリーガでポジションを勝ち取ることはできないし、ファンからの信頼を集めることもできない。特にフランクフルトのファンはアグレッシブなサッカーが好きだ。そしてクラブのために飽くなき闘争心を見せてくれる選手こそがユニフォームの袖に腕を通すべきだと信じている。そのお眼鏡に当時の鎌田はかなわなかった。

 18-19シーズンにシントトロイデンで貴重な経験の数々を積み重ね、19年7月にフランクフルトに復帰した鎌田にひとかたならぬ興味を示したのが前述のヒュッターだ。開幕戦からスタメンで起用されるとリーグで28試合に出場。ヨーロッパリーグでも大活躍をして、一気にレギュラーから中心選手としての座を確実なものとした。それはグラスナーに監督が代わっても揺らぐことはなかった。

 試合を重ねるごとに力強さもどんどん身に付き、走行距離もインテンシティも右肩上がりにアップ。特にファンが喜んだのがダイナミックな守備だろう。鎌田が豪快で的確なスライディングタックルでボールを奪うと、スタジアムから大歓声が上がるのだ。

カマダってチームメイトをうまくプレーさせるよな

 フランクフルトのホームスタジアムであるドイチェバンクパルクで取材をしていると、記者席近くのファンだったり、帰り道で電車やトラムを待っているときにもファンから「おいおい」と話しかけられることがある。こちらが反応するとクルッと回って両手の親指を立ててユニフォームに記載された名前を指す。KAMADA。その名が刻まれたユニフォームは彼らにとってマジカルなものでもあるのかもしれない。

「カマダってチームメイトをうまくプレーさせるよな」

「ボールがこぼれてくるところにカマダがいるんじゃない。カマダがいるところにボールがこぼれてくるんだよ」

【次ページ】 チーム2位のゴール&アシスト数

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