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なぜブアカーオは40歳でRIZINのリングに? 三浦孝太との師弟関係、かつてのライバルへの思いも「魔裟斗さんに健在をアピールしたい」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2023/05/04 17:04

なぜブアカーオは40歳でRIZINのリングに? 三浦孝太との師弟関係、かつてのライバルへの思いも「魔裟斗さんに健在をアピールしたい」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

『RIZIN.42』の安保瑠輝也戦を前に、単独インタビューに応じたブアカーオ・バンチャメーク。不惑を迎えてなおリングに立ち続ける理由とは

 佐藤とのエキシビションが決まるや、タイのテレビでは2008年7月のK-1 WORLD MAX(以下、MAX)でブアカーオが佐藤にKOされるシーンが繰り返し放送されたという。長いキャリアの中でブアカーオがKOされた試合はこの佐藤戦だけだ。「それでスイッチが入ってしまったのでは?」という噂も聞いたが、果たして真相はどうなのか。正面から疑問をぶつけてみると、ブアカーオは「俺は全然怒っていなかった」と弁明した。

「試合前には佐藤とも『今日は楽しくやろう』という話をしていたし、倒すつもりはなかった。でもちょっと手を出すのが早すぎて、たまたま当たってしまったんだ」

カズ次男・三浦孝太とは“師弟関係”に

 ちなみに佐藤とのエキシは、ブアカーオが因縁のある過去の対戦相手や旬の選手と闘うという企画の中でプロデュースされた一戦だった。

「いま僕はラジャダムナンのプロモーターのひとり。これからも昔K-1で有名だった選手を招聘して、前回のようなエキシビションマッチを続けたい」

 2022年8月19日には、その第1弾としてキングカズ(三浦知良)の次男である三浦孝太とエキシビションで拳を交わしている。この一戦はキックボクサーとしてのキャリアがない三浦をブアカーオが終始リードする形で進み、最後は「もうこれ以上、ブアカーオと闘い続けることは無理」と判断したレフェリーが試合をストップした。

 ムエタイでは片方にシーソーゲームをする技量がないと判断すると、途中で試合をストップする。それでも、ブアカーオはRIZIN期待のルーキーを「選手としての経験が少ないだけ」と高く評価する。

「孝太はすごく努力しているし、キックの経験もほとんどない中で僕と闘ったので、結果としてキャリアのなさが露呈しただけでしょう。これから経験を積み重ねれば、絶対にいい選手になると思う」

 その後も三浦との親交は続き、タイを訪れるたびにブアカーオが指導するという師弟関係を築きつつある。

「今後もタイで練習したいという意向を聞いているので、自分が世話をして絶対に強くしてみせますよ」

【次ページ】 「僕はムエタイをスポーツとして見てもらいたい」

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