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昨年最下位の中日はなぜ侍ジャパンを苦しめた? 大野雄、小笠原、柳…最強投手陣をぶつけた立浪監督の真意とは 大谷翔平の衝撃体験に選手は口あんぐり 

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渋谷真

渋谷真Makoto Shibutani

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2023/03/07 11:04

昨年最下位の中日はなぜ侍ジャパンを苦しめた? 大野雄、小笠原、柳…最強投手陣をぶつけた立浪監督の真意とは 大谷翔平の衝撃体験に選手は口あんぐり<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

ドアラ(右)のハイタッチを華麗にスルーする大谷翔平

 北京五輪(08年)だけでなく、第2回WBC(09年)では世界一を経験。こちらも「OB侍」の涌井は、たくさんの拍手に迎えられ、中日の選手としてデビューした。牧秀悟、村上、岡本和真ら同じセ・リーグの強打者にも「内角を遠慮なく攻められた」のが収穫だと話した。4日に4イニングを1点で切り抜けた柳も「緊張した試合でした。相手打者から感じたのは、力みですかね。やはり背負っているものが、いつもと違うからだなというのが伝わってきました」と重圧を慮っていた。

ベンチ裏でダルビッシュや大谷と対面

「われわれも開幕前にいい緊張感の中で野球をやらせてもらったのは、感謝しています。大谷選手の打撃練習もそうですし、この2日間はいい経験をさせてもらいました」

 こう話した立浪監督も、第3回WBC(13年)に打撃コーチとして加わっている。一流の打者がそろっても、練習時間や生きた球を見る数が不足する難しさを、肌身で感じている。体のキレはつくれても、目慣らしが追いつかないのだ。

 2日には合同練習としてシート打撃を行い、2試合とは別に4投手を用意している。そこでは立浪監督から「1番・センター」を確約されている岡林勇希が、ダルビッシュ有からまさかの死球を受け、2試合は欠場。その岡林は「侍ジャパンとの試合に出たかったのはもちろんですが、僕にとっては満員で声援のあるバンテリンドームでやるのは初めてだったので」と残念がった。この試合からマスク着用での声援と鳴り物が復活。若手選手には初めての経験だった。

 試合の前後には小笠原が、ダルビッシュと同学年の涌井の仲立ちで対面し、「僕は松坂(大輔)さんとダルビッシュさんを見て野球をやってきたので」と笑顔を浮かべていた。柳もダルビッシュや同学年の大谷と顔を合わせた。こうした交流も含め、中日側は最大限の「壮行」をやりきった。大野は言った。「僕は心から世界一を願っています」。あとは野球界の仲間として声援を送るのみ!

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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