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日本代表は「カタールW杯が史上最強」「予選で苦しむが“W杯だとアジア最強”。欧州・南米と比べて…」データで浮かぶ“世界での現在地” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2023/01/14 11:00

日本代表は「カタールW杯が史上最強」「予選で苦しむが“W杯だとアジア最強”。欧州・南米と比べて…」データで浮かぶ“世界での現在地”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

ドイツ、スペインを撃破するなどカタールW杯で奮闘を見せた日本代表。ここから次のステップに進むために必要なものを考えた

(1)W杯過去7大会における成績

 1998年大会以降の各大陸のGS突破率は、以下の通り。

 南米:74%、欧州:61%、北中米:46%、アジア:27%、アフリカ:22%

 南米と欧州が世界をリードし、アジアとアフリカが後塵を拝している。しかし、日本は57%でアジアとアフリカの水準をはるかに超え、北中米をも上回り、欧州平均まであと一歩、南米にはまだ及ばないというところだ。

(2)カタール大会出場登録選手の中で欧州クラブ、欧州ビッグクラブに在籍する選手の数

 現在、世界で最も優れた選手のほとんどが欧州のクラブに在籍する。とりわけ優れた選手が欧州ビッグクラブでプレーする。従って、これらの数字が各国代表チームの「個の力」を推し量る重要な指数となりうる。

<欧州クラブ在籍>
26人全員:フランス、クロアチア、イングランド、オランダ、スペイン、ドイツ、ベルギー、ポルトガル、デンマーク(9カ国)
25人:セルビア、スイス、ウェールズ(3カ国)
24人:アルゼンチン、ポーランド(2カ国)
23人:ガーナ
22人:ブラジル
20人:モロッコ
19人:日本、カメルーン

 19人の日本は32カ国中17位タイで、アジアでは最多だ(注:オーストラリア15人、イラン13人、韓国8人。サウジアラビアとカタールは0)。それでは、このうち欧州ビッグクラブでプレーする選手は何人いるのか。

 “ビッグクラブ”の定義としては、欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、フランス、イタリア)で常に優勝争いに加わり、なおかつ欧州チャンピオンズリーグでも実績がある以下の15クラブとしたい。

・イングランド:マンチェスター・シティ、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、チェルシー、アーセナル
・スペイン:レアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリー
・ドイツ:バイエルン・ミュンヘン、ドルトムント
・フランス:パリ・サンジェルマン
・イタリア:ユベントス、ミラン、インテル

 世界最多はブラジルの19人。以下、イングランド(18人)、スペイン(17人)、フランスとドイツ(16人)と続く。日本は、韓国、カナダ、ガーナなどと並んで1人だけ(アーセナルの冨安健洋)の20位タイである。

FIFAランキングも安定したアジア最上位クラスに

(3)FIFA発表の世界ランキング

 日本の世界ランキングは、W杯カタールの開幕前が24位で閉幕後は20位。アジア最上位だ(韓国25位、オーストラリア27位、サウジアラビア49位、カタール60位)。14位から19位までがドイツ、メキシコ、ウルグアイ、コロンビア、デンマーク、セネガルで、日本の下にポーランド(22位)、スウェーデン(23位)、ウクライナ(26位)など。つまり、ほぼ欧州や南米の中堅国の域に達していることがわかる。

 Jリーグ開幕を控えた1992年12月、日本のランキングは66位だった(ちなみに、現在の66位はアルバニア)。日本は、30年間で46位もランキングを上げた。Jリーグ創設がいかに日本のフットボールを押し上げたかがわかる。

 ではこの状況から、ベスト8への壁を打ち破るためには何が必要となるのか。#2以降で他国との比較を進めながら、考えていきたい。

 <#2につづく>

#2に続く
森保ジャパン「W杯2大会連続ベスト16」は「1回だけベスト8」より価値あり? 今後は“何とかGS2位突破”を狙うのではなく…

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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