「戦術面で日本は最高水準だった。ただ…」

――それではテーマを試合そのものに移しましょう。まず、日本のスタメンは予想通りでしたか？

　正直に言えば、伊東純也が右ウイングバックで先発したことと、冨安健洋がセンターバックで先発したことには少し驚いた。

――伊東は右ウイングでプレーすることを予想していたのですか？

　そう。事実上、試合中の彼は右サイドバックのようにプレーしていた。私にとってはちょっとしたサプライズだったよ。

――前半の日本はアグレッシブにプレーしていました。

　日本はとても良いプレーをしていたね。ルカ・モドリッチとマテオ・コバチッチにしっかりとプレッシャーをかけ、身体の向きを変えることを許していなかったので、彼らは常に余計なボールタッチをしていた。日本はまんまと2人を無力化させていたんだ。そしてライン間でポジションをうまく取り、守田英正、鎌田大地、遠藤航が常に中央でフリーになっていた。クロアチアはただただ解決策が見つからず、日本の5-4-1システムに混乱していた。誰がいつ飛び出してくるかわからず、クロアチアは組織プレーの面で多くの問題を抱えていたんだ。クロアチアがボールを失うと、日本は慌てることなく丁寧にボールを繋いだ。つまり、中盤の連係はとても良かったよ。戦術面では日本にとって最高水準の試合だった。

クロアチアを相手に先制ゴールを決めた前田大然　©Kiichi Matsumoto/JMPA

――43分に前田大然が先制点を挙げました。その後の日本のゲームプランについてはどう考えていますか？

　後半も優れた戦術を設定していたと思う。再び中盤を厚くし、低めのブロックを敷いた。ただ言えるのは、イバン・ペリシッチが離れ業をやってのけたことだ。あれは驚異的なヘディングシュートだった。あのようなセンタリングに合わせて15mの距離から撃ち抜いたわけだけど、ヘディングで決めるにしてはずいぶんと長い距離だ。しかも、正確にゴール隅へと叩き込んだ。あれはペリシッチの極上のクオリティによるもの。ちょっとした幸運がクロアチア側にあったんだ。それを除けばクロアチアはさほど多くのチャンスを作れなかった。

――確かに。

　だからこそ、セットプレーやコーナーキックでパターンを用意していた森保一監督とコーチングスタッフを賞賛しなければならない。先制点は本当に立派なコンビネーションだったね。監督の素晴らしい手腕と采配ぶりを目にできたよ。サイドを使ったプレーも非常に良かった。いくつもセンタリングを上げ、危険な場面も作っていたからね。

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