「やれるんじゃないかな」田中碧が思い描くクロアチア戦、理想の戦い方「前半3-0とかでリードしたいですよ。ただ…」

　スペイン戦、決勝ゴールを挙げたのは中盤のポジションで起用された田中碧だった。幼馴染の三笘薫も、同じポジションの遠藤航も「まさかアオがあそこに」と驚く走りっぷりでゴール前に上がり押し込んだ魂のゴールだった。

　試合から2日後、あらためてスペイン戦を振り返る田中は、嬉しそうでもあり歯痒さをかんじているようでもあった。試合は楽しかったのか、学びがあったのかと聞かれ、こう答えている。

スペイン戦に先発出場し、後半途中で遠藤と交代した田中　©Kiichi Matsumoto/JMPA

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スペインは「すごさを感じるかといえば…」

「そうっすね。もちろん差があったし、もっと自分も何かそういう（最高峰の）世界でやれるようになりたいなと思う反面、戦い方もあってか、意外にもそういうもの（わかりやすい差）を感じられなかった。前に行く局面がないのですごさを感じるかといえば、そうでもない現状があって。試合では、自分が奪いに行って『全然取れないや！』っていう瞬間を作ろうともしてなかったので。もっとこうやり合ったときの方が『ここでも取れないのか』『かわされるのか』とか感じられたかも。そういうのはなかなか感じにくい試合展開でした」

　前から取りに行く展開ではなく、直接力の差、技術の差を感じるシーンは確かになかった。むしろ、スペイン対ドイツでのほうがスペインの高い技術力やスピード感のあるボール回し、チームとしての完成度を感じられた。ただ、日本のように組み合わない勝負もひとつのやり方ではある。守れる、というストロングポイントをドイツ戦に続き選手たちは感じ、その一方で難しさも感じたと明かす。

守ろうと思えば守れるのがこのチーム

「守ろうと思えば守れるのもこのチームですよね。でも、その戦い方を選べない（前半は守りに徹し、後半も攻撃はカウンター主体という戦い方一択。その分、ポゼッション率は低くなる）。特に前の選手はやっぱりもっとボールを保持して存在感を出す選手が多いので、そういう意味ではもどかしさはあると思うんです。けどまあ結果が全てである以上、多少チームとしては、（前の選手の本来の持ち味など）捨てなきゃいけないこともあるので、そういう意味では現時点ではうまくいってると思います。今大会はこういう戦い方でいくのかなと思います」

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