アンチな意見は、最初メンタルにけっこうきました

　今や陸上系のインフルエンサーとして、確固たる地位を確立した感がある。街を歩けば女子高生たちに「やってみよう、だ！」と声をかけられる事が増えた。「あれ、誰だっけ、みついえ？　みつや？」と言われると「みつか！！」とツッコむやりとりが生まれ、自然と打ち解けた。それからさらに動画を見てくれたり、ファンになってくれる。ただ、人気が出れば、アンチも出るのが世の中の常だ。

©Yuki Suenaga

「アンチな意見は、最初メンタルにけっこうきました。前回の東京マラソンは応援自粛だったんですが、これだけの観客がいるのに楽しまないのはもったいないと思い、『盛り上がっていきましょう』みたいな感じでちょっと騒いで走ったんです。そうしたら『応援自粛なのに、お前から喋りかけてんじゃねーよ』ってコメントが来たり、晴れているからイラつくとか、意味が分からないのもありました……。でも、今はそこまで気にしなくなりました。応援してくれる人がめちゃくちゃ増えましたからね。今までランニングは楽しいですよっていっても見向きもしなかった人が見てくれるようになって、自分のやったことに影響力が持てるようになった。ランニングでバズるという今までできなかったことができて、自分の夢の一つが叶っているので、これからも自分のスタンスでやっていきたいと思っています」

　研究していた領域に関わるコアな陸上トレは、自身のチャンネルではなく、シンガーソングライターでYouTubeのチャンネル登録者数10万人を超えるSUIさんなど他のランナーとのコラボなどで扱っているが、今後は自分のYouTubeでも陸上だけの動画を提供していくという。いろんな動画をさまざまな形で配信していけば、多くの人に見られる可能性が広がる。可能性が広がれば、ランニングを始めたり、楽しむ人が増えてくる。

　三津家さんの狙いは、自身の知名度の上昇とともに着実に進行中だ。

〈#3に続く〉