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「500通の感想メールが…」ラジオで“異例の羽生結弦特集”を実現させたアナウンサーが感じた“ファンとの絆”「あたたかさに感動しました」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byL)Tomosuke Imai、R)JMPA

posted2022/08/31 11:00

「500通の感想メールが…」ラジオで“異例の羽生結弦特集”を実現させたアナウンサーが感じた“ファンとの絆”「あたたかさに感動しました」<Number Web> photograph by L)Tomosuke Imai、R)JMPA

羽生結弦特集の番組を作り上げ好評を呼んだラジオNIKKEIアナウンサーの藤原菜々花さん

異例中の異例…放送後には“500通”の感想メール

 放送から3カ月強が経った今、藤原は語る。

「放送前はたった2人で始めた企画でした。ラジオNIKKEIはフィギュアファンをまったく抱えていないというか、フィギュアファンでラジオNIKKEIを聴く方ってほとんどいないのかなと思っていたので、1人でも聴いてくれたらいいなというくらいで始めた企画です」

 1人でも聴いてくれたら――その思いで始まった番組は驚くほどの反響を呼んだ。

 放送前からそれは始まっていた。

「お便りを募集している段階でアメリカ、カナダ、ペルー、ベルギー、モンゴル、韓国、中国……あげきれないくらい世界中からお便りが届きました。英語とか中国語とか、こんなに読む機会は人生で初めてだな、というくらい。世界中の方々にこの企画が届いているのがうれしかったですし、告知のツイートを誰かが翻訳してくださってバトンをつないでくれたおかげです」

 放送後には約500通もの感想のメールがあったという。

「放送が終わったあとにお便りがこんなに届くのは、普段はあることではなくて」

 同社に長年勤めている社員も「少なくとも私が入社してから初めての数です」と言葉を添える。

藤原アナの情熱が生んだ番組だった

 7月22日には再放送を実施した。

「これまでを振り返るような番組だったので、7月19日の羽生選手の記者会見を見て、新たなステージに行く前のこのタイミングで再放送できたら、と」

 わずか3日後に実現した再放送もまた、「ありえないくらい」の人が聴いたという。

 多くの反響を得た番組の成功の裏には、そこに懸けた藤原の情熱がある。こんなエピソードも教えてくれた。

「曲の並び順をあまりに考えすぎて、ぼーっと歩いていて会社のエレベーターの扉に挟まれたくらいでした(笑)」

 企画から構成、放送まで、心血を注いだ。その根底にあったのはどのような思いだったのか。《つづく》

(撮影=今井知佑)

#2に続く
「羽生選手が心のよりどころでした」好きすぎて“羽生結弦特集”の番組を企画したアナウンサーが学んだ“諦めない姿”「人生のバイブルです」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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