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阪神・青柳晃洋「12球団で最も信頼できる先発」な成績の数々 沢村賞争いの山本由伸と比べてもトータルで…〈サブマリン前回受賞者は?〉 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2022/08/09 11:00

阪神・青柳晃洋「12球団で最も信頼できる先発」な成績の数々 沢村賞争いの山本由伸と比べてもトータルで…〈サブマリン前回受賞者は?〉<Number Web> photograph by JIJI PRESS

阪神復調の軸に青柳晃洋あり。独特のサイドスローから繰り出すボールで相手打者を手玉に取る

 先発で6回以上を投げて自責点3以下で抑えた試合数。QSは先発投手の「最低限の責任」とされる。このQSの先発登板数に占める比率である。

青柳が「両リーグ通じて最も信頼できる」先発である数値

<セの10QS以上の投手のQS率>
青柳晃洋(神) 93.75% (15QS/16先発)
伊藤将司(神) 83.33% (10QS/12先発)
戸郷翔征(巨) 82.35% (14QS/17先発)
西勇輝(神) 77.78% (14QS/18先発)
床田寛樹(広) 76.47% (13QS/17先発)
柳裕也(中) 70.59% (12QS/17先発)
大野雄大(中) 68.75% (11QS/16先発)
森下暢仁(広) 68.42% (13QS/19先発)
菅野智之(巨) 66.67% (10QS/15先発)
小川泰弘(ヤ) 64.71% (11QS/17先発)
大貫晋一(De) 62.5% (10QS/16先発)
大瀬良大地(広) 61.11% (11QS/18先発)

 青柳は今季16試合に先発して、QSが達成できなかったのは6月24日の中日戦(7.1回を投げ自責点4)だけ。抜群の安定感だ。パの1位が日本ハム加藤貴之の85.7%(12QS/14先発)だから、それをも上回っている。青柳は両リーグ通じて最も信頼できる先発投手だと言えよう。

 昨年の東京五輪の金メダリストである青柳だが、登板した2試合では1.2回8被安打自責点5と活躍できなかった。それも今年の奮起の材料にしたのではないかと思われる。

沢村賞争い・青柳と山本の成績を比べてみると

 さて、消化試合数も100試合前後となり、両リーグで最高の先発投手1人に与えられる「沢村賞」の行方が気になり始める時期だ。結論から言えば今季は阪神の青柳、オリックスの山本由伸の2投手に絞られたと言えるのではないか。

青柳晃洋(神)16登板12勝1敗 勝率.923 4完投2完封117.1回96奪三振 防御率1.38
15QS QS率93.75% K/BB6.00
山本由伸(オ)18登板10勝5敗 勝率.667 1完投1完封130回135奪三振 防御率1.80
14QS QS率77.78%
K/BB4.09
※太字はリーグ最多

 ロッテの佐々木朗希も一時は有力な候補だった。しかし現時点では規定投球回数に達していないうえに勝ち星も6勝2敗と見劣りする。

 昨年の沢村賞投手、山本由伸は今季も好成績を挙げているものの、トータルでは青柳の方が優秀だ。

【次ページ】 阪神では井川以来、サブマリンなら誰?

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