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18歳松川虎生「またオールスターに出たい」山川のピコピコハンマーに感謝、胸にしまう“憧れ”矢野監督の「すごいな」 

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千葉ロッテマリーンズ取材班

千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines

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posted2022/08/02 11:01

18歳松川虎生「またオールスターに出たい」山川のピコピコハンマーに感謝、胸にしまう“憧れ”矢野監督の「すごいな」<Number Web> photograph by KYODO

オールスターに初出場したロッテ松川虎生捕手(18歳)。第2戦では初安打初打点をマークし、敢闘選手賞も受賞した

 キャッチャーとしてたくさんのスター選手たちのボールも受けた。その経験は未来に繋がる。色々な刺激を受けて充実した表情で本拠地ZOZOマリンスタジアムに戻ってきた。

「今回は(佐々木)朗希さんがいたから、自分も出ることができた部分が大きい。次は自分もしっかりと結果を出してキャッチャーとしてまたオールスターに出たいです。今回、オールスターに出て、また出たいという気持ちが強くなりました。本当に選んでくださったファンの方々には感謝しかないです」

“憧れの人”からもらったエール

 オールスターでもう1つ、思い出深いことがあった。

 練習時、阪神タイガースの矢野燿大監督と会話を交わす機会があった。大阪の阪南市出身。子どもの頃に見たプロ野球中継はタイガース戦だった。保育園のアルバムには「ぼくは大きくなったらタイガースの矢野選手のようになりたいです」と書いたことがあるほどの憧れの存在。挨拶すると、虎の指揮官は笑顔で迎えてくれた。

「プロ1年目からすごいな。高校出たばかりで」と肩を叩かれた。「なかなか難しいっス」と頭をかくと、ニヤリと笑われた。

「プロのキャッチャーが難しいのは当たり前。それでもオレはすごいと思うよ。しっかりやれているし、なによりもこっちから見るとそのように見える。それが大事。キャッチャーが焦っているように見られたらダメ。所作とか振る舞いがすごい。オレは1年目、ボールをとるのも精いっぱいだったぐらい」

 松川は憧れの人の言葉に聞き入った。そして、別れ際にもらった熱いエールを胸にしまう。

「キミはキャッチャーぽいキャッチャー。それがなんといっても魅力。これからも高いところ目指して、誰もなっていないようなオンリーワンのキャッチャーになれよ」

 その言葉を何度も反芻した。

 松川は、タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たした2003年生まれ。関西がタイガースフィーバーに沸く中、母方の祖父が「虎生」と名付けてくれた。その年に正捕手としてタイガースを引っ張り投手陣をリードしていたのが矢野だった。その人に球宴という場で挨拶をして、言葉を交わせたことを感謝した。

【次ページ】 後半戦は「一戦一戦が大事になってくる」

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