「ビッグボス出演回」は記録的な再生回数に

――それはおふたりが「草野球好きの会社員」であるという経歴も関係していますよね。

トクサン　そうですね。ただ、僕らみたいな「何者でもない草野球人」が野球カテゴリーでNo.1にいる、というのは説得力という点で大切なことだとも思っていて。1番であり続けることに固執はしていないんですけど、野球経験者のほとんどが「プロにはなれない、なれなかった人」じゃないですか。だからこそ、アマチュア野球人である僕らが伝えられることはあると思います。

トクサンは大学時代、俊足巧打の内野手としてドラフト候補にあげられながらもプロ入りは叶わなかった

　もっと言うと、プロ野球選手って極論を言えば「勝手になった人たち」だと思うんです。プロ入りするような選手を見てきたからわかるんですが、恩師をはじめ周囲のお陰という面はあるにしても、放っておいても伸びるだけの才能を持った選手がほとんど。それなのに世の中の大多数を無視してレベルの高い話をするのは、アマチュアの僕らがすることではないなと。

――「トクサンTV」でも、現役・OB問わずプロ野球選手とコラボしていますよね。

トクサン　選手やOBに出演いただいた時は、「テレビ中継のアナウンサーが選手に聞けないところを僕らは聞こう」ということは意識しています。だから、有名選手に出演いただく回ほど、マニアックなテーマになりがちです。たとえば新庄剛志さんに外野守備の細かなコツを徹底的に教えていただいたり。実際、新庄さんの回はバズって、記録的な再生回数になりました。

多くのプロ野球選手とコラボしている「トクサンTV」。新庄剛志ビッグボスが出演した回はいずれも大ヒットとなった

――有名選手の秘話やウラ話ではなく、ある種コアな技術論でも人気を集めている。そこが「トクサンTV」の強さ、特徴だと思うのですが、企画はおふたりが考えているんですか。

トクサン　そうですね。毎週月曜日に定例会議があって、そこでライパチと僕でアイデアを出し合う形です。その案に対して、アニキ（取締役社長で同じ草野球チームのメンバー）がプロデューサー視点でアドバイスをしてくれるという。そこにもうひとりアシスタントを加えた全4人体制で、企画や撮影、編集を行っています。

ライパチ　メンバー全員がカメラを回せて、動画を作れる状態です。パソコン1台、カメラ1個、人間1人で、動画を完成できるようにアニキから叩き込まれましたから。

トクサンの相方的な存在として動画に出演するライパチ

トクサン　ゼロスタートだったので、チャンネル開設から1年くらいは徹夜作業も少なくなかったですね。頑張って作っても、「全然ちゃう。どういう意図で作ったか言うてみ」ってアニキに指導されて……。素人対プロのバトルがありました（笑）。今は会社化して大きい組織になったので、僕らが後輩たちに動画制作のイロハを伝えている状況ですね。

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