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佐々木朗希の完全試合直前「ショートがちがちじゃん」の声… オリファンの少年は「やべー、やべー」《生観戦!野球コレクターは見た》
posted2022/04/12 11:03
text by
AkiAki
photograph by
Kyodo News
4月10日・日曜日。ロッテ佐々木朗希がオリックス戦で完全試合を達成した。
筆者は運よくこの試合現地観戦するという奇跡に恵まれたので――当日のスタジアムの様子・空気感をレポートする。
自宅は都内なので、ZOZOマリンスタジアムへは電車で片道1時間弱だ。大谷翔平のエンゼルスの試合をスマホ片手に観戦しながら現地へ向かった。そして大谷翔平が所属するエンゼルスが今シーズン初勝利を飾るほぼ同時刻に現地に到着した。
ちょうどこの前の日曜日も佐々木朗希の本拠地初勝利を観戦に来ていたので1週間ぶりだが、前週の雨と花冷え、コートにカッパから一転、夏のような暑さだった。
あの寒さの中でも圧巻のピッチングをしたのだから、この暑さなら更に進化した佐々木朗希が見られるのでは? と期待して球場入りしたが、まさかこのあと完全試合を達成してしまうなんて……。
13時45分入場。バックネット裏に陣取る。
お隣さんはロッテファンのカップルで後ろはオリックスファンの子供連れの家族だった。試合前に筆者が注目していたのは、この日2桁奪三振を記録すると伊良部秀輝氏の球団記録3試合連続に並ぶこと。そしてこの時点では25イニング連続で奪三振を記録中、この記録がどこまで伸びるのか? だった。
佐々木朗希が登場曲・あいみょんの『今夜このまま』とともにマウンドへ上がる。初球から161キロ、160キロ、162キロを連発して球場がどよめいた。1回はわずか3分でセカンドゴロ、ファーストゴロ、そして吉田正尚が三振、これで26イニング連続の奪三振だ。ただこの三振から13連続奪三振の日本記録を作ってしまうなんて、誰も想像していなかっただろう。
「連続奪三振っていくつでしたっけ?」
2回、3回と連続で3者三振、そして迎えた4回、球場が更にざわつき始める。
「連続奪三振っていくつでしたっけ?」
隣に座るカップルの男性の方から聞かれた。連続奪三振記録……と言えば、オールスターでの江夏豊氏の9連続、そして江川卓氏の8連続は頭に浮かぶが、レギュラーシーズンの記録は……全く浮かばなかった。スマホで調べると9連続が日本記録らしい、と知る。
そんな中、先頭打者を三振で8連続、2人目も三振で9連続と、あっという間に日本タイ記録となった。
そしてバッターは2年連続首位打者、今や最も三振をしないと言われている吉田正尚だ。