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「キタサンvsサトノ」以来の激しい“一騎打ち”に…大阪杯で実現、エフフォーリアvsジャックドールが“絶対に面白くなる理由”

posted2022/04/02 11:01

 
「キタサンvsサトノ」以来の激しい“一騎打ち”に…大阪杯で実現、エフフォーリアvsジャックドールが“絶対に面白くなる理由”<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/Photostud

“一騎打ち”の戦いになると目される大阪杯。昨年の年度代表馬エフフォーリアと、逃げ馬ジャックドールが注目の初対決を迎える

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Kiichi Matsumoto/Photostud

 かたや圧倒的な強さでGIを3勝した昨年の年度代表馬。かたや5連勝で前哨戦をレコード勝ちした快速馬。春の中距離王決定戦を制するのはどちらか。同世代の両雄が、今週末の第66回大阪杯(4月3日、阪神芝内回り2000m、4歳以上GI)で初めて激突する。

 昨年の桜花賞のソダシvsサトノレイナス、一昨年の日本ダービーのコントレイルvsサリオスなども「一騎討ち」と言われた。しかし、古馬GIでこれほど一騎討ちムードが高まるのは久しぶりだ。キタサンブラックvsサトノダイヤモンドで盛り上がった2017年の天皇賞・春以来ではないか。あのときは1番人気のキタサンブラックが勝ち、4番人気のシュヴァルグランが2着、2番人気のサトノダイヤモンドは3着だった。

エフフォーリアvsジャックドールが“面白い理由”

 前置きが長くなったが、今年の大阪杯で「二強」を形成するのは、昨年の皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を制したエフフォーリア(牡4歳、父エピファネイア、美浦・鹿戸雄一厩舎)と、前走の金鯱賞をレコードで逃げ切ったジャックドール(牡4歳、父モーリス、栗東・藤岡健一厩舎)である。これら2頭は、脚質も成長曲線もまったく異なるうえに、今回が初対決と、未知の要素が多いだけに面白い。

 エフフォーリアの強さについては言わずもがなだろう。今回は昨年の有馬記念以来、約3カ月ぶりの実戦。ノーザンファームで生産された強豪ではおなじみの使われ方で、間隔があくのはいつものことだ。

 天皇賞・秋を勝ったあと、輸送中に左前脚の蹄を傷めて調整スケジュールに狂いが生じた。そのため、有馬記念出走時の状態は、鹿戸調教師が「デビュー以来最高」と話していた天皇賞・秋ほどではなかった。それでも、ライバルのクロノジェネシスを内に封じ込める隙のない競馬で完勝。能力の絶対値と操縦性の高さをあらためて示した。どんな距離でも、どんな展開になっても、どこからでも競馬ができ、最後は必ずいい脚を使う。

横山武史「8割くらいの状態では出られる」

 有馬記念出走時は、蹄をエクイロックスで保護していたのだが、蹄鉄そのものは接着装蹄ではなく、通常の釘で固定する蹄鉄を履いていた。つまり、中間の調整に影響しただけで、蹄そのものの具合は、とっくに問題がなくなっていたのだ。

 今回は中間の調整過程も万全。追い切り後の会見で、主戦の横山武史は「有馬記念は6、7割。今回はそれより上がって、天皇賞ほどではないですが、8割くらいの状態では出られると思います」と話している。横山は、盛ってコメントすることはなく、感じたとおりストレートに言葉にするタイプだ。ほかの騎手なら「いい状態です」と表現するレベルだと思われる。関西へ輸送してのレースは初めてだが、それが不安材料になる馬ではないだろう。

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