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「箱根駅伝4連覇を目指す」「先輩だろうと、負けるのは嫌」区間新・ごぼう抜きの新星や大エースは何を考え、大舞台を駆けたのか

posted2022/01/05 11:03

 
「箱根駅伝4連覇を目指す」「先輩だろうと、負けるのは嫌」区間新・ごぼう抜きの新星や大エースは何を考え、大舞台を駆けたのか<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

第98回箱根駅伝も数々のドラマがあった

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NumberWeb編集部

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Nanae Suzuki

雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は箱根駅伝にまつわる4つの言葉です。

<名言1>
僕たちの学年で、箱根駅伝4連覇を狙いたいです。
(若林宏樹/NumberWeb 2022年1月2日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/851496

◇解説◇
 強い、ただただ強い。

 2022年新春の箱根駅伝は、フレッシュグリーン軍団の青山学院大の独壇場だった。区間を経るごとに後続を突き放し、総合タイムで2位・順天堂大につけた差は平成以降で最大となる「10分51秒」だった。ちなみに2位・順大から14位・明大までが「5分55秒」差だったことを照らし合わせると、その独走ぶりがよくわかる。

 復路3区間で区間賞を獲得し、往路を含めると区間2、3位もそれぞれ2つずつという恐るべき安定感だが、流れを作ったのが往路起用された2人の1年生、太田蒼生と若林宏樹だった。3区で太田が区間2位の1時間1分0秒で走り首位に立てば、5区山登りを任された若林も1時間10分46秒で区間3位。往路終了時点で2位の帝京大に2分37秒差、駒澤大に3分28秒差をつけ、大きなアドバンテージを得た。

 冒頭の言葉は若林が夏に宣言したものだ。今回の箱根前から4連覇を狙うと公言し、大会後には原監督は“10年以内に10時間40分台を切る”と目標設定したそうだが、決して大言壮語には感じない。それだけの総合力と野心が、青学にはある。

1年生にしてエース級の平林が國學院を選んだ理由

<名言2>
先輩だろうと、負けるのは嫌。勝ちたいという欲が強い。
(平林清澄/Number1042号 2021年12月16日発売)

◇解説◇
 國學院大学は往路4位と、4年連続でのシード権獲得に向けて好位置につけた。しかし復路、7区で左アキレス腱の痛みを抱えたキャプテンの木付琳が区間20位に終わり、一時はシード権ギリギリの10位になった。この状況を打開したのは9区の平林清澄。1年生ながら強い気持ちを見せて1時間8分7秒と区間2位と好走し、総合8位に導く立役者となった。

 平林は出雲駅伝でアンカー6区で5位、全日本7区3位と主要区間で結果を残し、箱根の大舞台でもその力を発揮した。

【次ページ】 1区で区間新・吉居が考える「エース」の役割

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