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〈スターダム〉“永遠のライバル”キッドとAZMがついに激突…王座戦3wayマッチを前にAZM「同じリングにいるだけで楽しい」

posted2021/12/17 11:03

 
〈スターダム〉“永遠のライバル”キッドとAZMがついに激突…王座戦3wayマッチを前にAZM「同じリングにいるだけで楽しい」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

11月27日の国立代々木競技場第二体育館大会にて、キッドに挑戦表明をしたAZM

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 “本命”カードの実現だ。スターダム年末のビッグマッチ、12月29日の両国国技館大会で、AZM(あずみ)がスターライト・キッドのハイスピード王座に挑戦する。

 試合はキッドvs.AZMvs.コグマの3way形式。AZMもコグマも元ハイスピード王者であり、誰が誰に勝ってもおかしくないメンバーと言っていい。

 11月27日の国立代々木競技場第二体育館大会では、キッドがコグマを得意技キッドクラッチで丸め込み3度目の防衛。試合後のリングに登場し、挑戦表明したのがAZMだった。そこに割って入ったのが敗れたばかりのコグマ。

「キッドがコグマの再戦要求を受け入れちゃったんで、その時はちょっとガッカリしましたね」

 AZMはそう語る。キッドは彼女にとって「永遠のライバル」。3月の日本武道館大会でなつぽいに敗れベルトを失ったが、それから最高の形でのベルト奪還を狙ってきた。両国国技館という会場でチャンピオンがキッド。申し分ないシチュエーションだ。

「キッドとは子供の頃から一緒。大人たちに囲まれながらプロレスをやってきました。“キャリアに年齢が追いついてない”みたいなこともよく言われますね、私たちは」

プロテストに合格したのは9歳

 キッドは年齢非公開だがAZMと同世代。2015年に10代前半でデビューしている。AZMは団体3期生。後にWWEでも活躍する宝城カイリ(カイリ・セイン)と同期だ。プロテストに合格したのは2011年、9歳の時。小学生の頃は「習いごと感覚」で楽しくやってきたが、中学生になると「私はこれ(プロレス、スターダム)に就職するんだ」という気持ちで研鑽を積む。この春、高校を卒業してさらにプロ意識が高まった。

「前は試合中に焦ってましたね。やっぱり若いので(笑)。でも今は視野が広くなりました。もう360度見える。背中にも目がついてる感覚です。MOMOAZ(渡辺桃とのタッグ)で手応えを掴んだんだと思います。タッグはパートナーも見て、敵側も見て、連携技を出したり相手の動きをカットしたりする。忙しいんですけど、だから鍛えられる。去年MOMOAZでタッグリーグ優勝できたのは大きかったですね」

 今年のタッグリーグでもMOMOAZで決勝進出。シングルリーグ戦「5★STAR GP」では優勝した朱里、マーベラスのエース彩羽匠に勝って殊勲賞を獲得した。11月には朱里のSWA世界王座に挑戦。敗れたが見事な試合ぶりを見せている。

AZMの試合が“観客の目を奪い続ける”理由

 朱里戦の13分22秒という試合時間はシングルのタイトルマッチとしては長いほうではないが、そこに多種多様なテクニック、展開が凝縮されていた。AZMの試合を見ていて感じるのは観客の目を奪い続ける巧みな構成力。映画にたとえると、2時間を超える“感動の大作”というより90分前後のタイトなアクション、サスペンスというイメージだ。

【次ページ】 AZM「これは今マジで悩んでます」

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