スポーツ名言セレクションBACK NUMBER

山本由伸の「おっきい理想」、ラオウ覚醒は“後輩”吉田正尚のおかげ? 混戦パ制したオリックス戦士の言葉《仰木政権以来の日本一へ》 

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

photograph byKYODO

posted2021/10/28 11:04

山本由伸の「おっきい理想」、ラオウ覚醒は“後輩”吉田正尚のおかげ? 混戦パ制したオリックス戦士の言葉《仰木政権以来の日本一へ》<Number Web> photograph by KYODO

ロッテが敗れたことで25年ぶりのリーグ優勝が決まったオリックス。試合はなかったが、京セラドームで中嶋監督の胴上げが行われた

<名言2>
誰がどう見ても、あいつが一番いいバッター。
(杉本裕太郎/NumberWeb 2021年9月18日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/849875

◇解説◇
 強打者を抑えて、10月27日時点でパ・リーグ本塁打王(32本)に位置する“ラオウ”こと杉本裕太郎。プロ6年目の30歳、昨シーズンのホームラン数が2本だったことを考えると、ラオウの覚醒がリーグ優勝に結びついたことは容易に想像がつく。

 今季はシーズン序盤から「4番」に座る機会が多かった杉本だが、そのポジションはチームにとって課題でもあった。吉田正尚の「うしろ」である。

 吉田とは青山学院大の2学年下の後輩で、同期入団という間柄。吉田の凄さを誰よりも理解している杉本だからこそ、吉田を生かすために何が必要か、自分の役割を整理できた。

「誰がどう見ても、あいつが一番いいバッター。だから、誰があいつの後を打っても、(吉田が)勝負を避けられるというのはあると思うけど、なるべくそうならないようにしたいんです」

 その意識は自身の成績にも好循環を生む。前述したホームラン数だけでなく、打率も吉田、森友哉(西武)に次ぐリーグ3位の.301(27日時点)。終盤に吉田が離脱した時は、打線を牽引した。

 大柄な見た目とは裏腹に柔らかい性格で、コメントには「自分の話ばっかりするのはあんまり好きじゃないんで」とチームメイトのエピソードがいつも含まれる。心優しい主砲の誕生はオリックスを加速させたのである。

【次ページ】 山本由伸は秘密主義?

BACK 1 2 3 4 NEXT
オリックス・バファローズ
中嶋聡
紅林弘太郎
杉本裕太郎
山本由伸
吉田正尚
仰木彬

プロ野球の前後の記事

ページトップ