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侍ジャパン“投打で振り払うべき不安”とは? 慣れたハマスタで絶好調オースティン、猛打爆発で4強韓国がライバルに《記録でメダル争い展望》 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byMasaki Fujioka/JMPA

posted2021/08/02 17:05

侍ジャパン“投打で振り払うべき不安”とは? 慣れたハマスタで絶好調オースティン、猛打爆発で4強韓国がライバルに《記録でメダル争い展望》<Number Web> photograph by Masaki Fujioka/JMPA

オープニングラウンドは連勝で首位通過した侍ジャパン。強敵アメリカを倒してさらに勢いに乗れるか

メルセデス、オースティンらが大活躍

<NPB在籍経験のある選手の活躍>
戦前に各チームにいるNPB、元NPBの選手がポイントになると予想したが、その通りの展開となっている。以下、日本を除く5チームのNPB、元NPB選手の成績である。

<アメリカ>
・野手
タイラー・オースティン(DeNA)
9打数4安打1本塁打4打点 率.444
・投手
ニック・マルティネス(ソフトバンク)
1試1勝0敗5回 率1.80
スコット・マクガフ(ヤクルト)
1試0勝0敗1回 率0.00
ブランドン・ディクソン(元オリックス)
1試0勝0敗1回 率0.00
アンソニー・カーター(元日本ハム)
1試0勝0敗1回 率0.00

<ドミニカ共和国>
・野手
ホアン・フランシスコ(元巨人)
8打数2安打0本塁打0打点 率.250
・投手
C.C.メルセデス(巨人)
1試0勝0敗6回 率1.50
エンジェル・サンチェス(巨人)
1試1勝0敗5回 率0.00

<メキシコ>
・野手
ジョーイ・メネセス(元オリックス)
8打数4安打1本塁打3打点 率.500
エフレン・ナバーロ(元阪神)
8打数0安打0本塁打0打点 率.000

<韓国>
・投手
オ・スンファン(元阪神)
1試1勝0敗2回 率4.50

 アメリカは投打の主力がNPB、元NPB選手と言ってよい。タイラー・オースティンは3番に座り、ポイントゲッターになっている。投手も先発、救援で活躍している。ドミニカ共和国は、メルセデス、サンチェスの巨人勢が先発2本柱だ。そしてメキシコではメネセスが勝負強さを見せた。

元大物選手よりも“旬な選手”の活躍が目立つ?

<元大物選手とトッププロスペクトの活躍は?>
 東京五輪にはオールスターにも出た元大物選手が出場しているが、そうした選手が全員活躍しているわけではない。

 アメリカでは、レイズのエースだった通算108勝のスコット・カズミアーの名前がロースターにあるものの、まだ出場していない。107勝のエドウィン・ジャクソンは韓国戦で救援して0.2回無失点。一方で通算1056安打のトッド・フレイジャーは6打数無安打である。

 ドミニカ共和国では本塁打王2回のホセ・バティスタが中軸を打ったが、5打数無安打。スピードについていけない印象だった。通算1962安打のメルキー・カブレラは4打数1安打1打点。

 メキシコでは国民的スターのエイドリアン・ゴンザレスが4番を打ったが動きは鈍く、7打数1安打に終わった。

 そんな中で、イスラエルの通算1999安打のイアン・キンズラーは9打数1安打ながら韓国戦では先制の本塁打で2打点。大物とまでは言えないがレッドソックスで松坂大輔の捕手でもあったライアン・ラバーンウェーは8打数4安打2本塁打3打点の大活躍を見せた。

 イスラエルは五輪チーム編成にあたってアメリカでキャンプを張り、戦力になるかどうかをじっくり見定めて選手を選抜した。「名前」だけで招集したわけではないのだ。

【次ページ】 鈴木誠也とともにカギとなるだろう源田の走力

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