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“2人のカルバーリョ”の落差がスゴい! プレミアリーグを彩るポルトガル人プレーヤー列伝…ペップが狙う新戦力とは? 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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photograph byGetty Images

posted2021/06/17 11:00

“2人のカルバーリョ”の落差がスゴい! プレミアリーグを彩るポルトガル人プレーヤー列伝…ペップが狙う新戦力とは?<Number Web> photograph by Getty Images

Ç・ロナウドは2003年から6シーズンに渡ってマンチェスター・Uでプレー。リーグ3連覇など数々のタイトル獲得に貢献した

イングランドのメディアを沈黙させたR・カルバーリョ

 さて、ポルトガルとイングランド・フットボールを語る場合、この男は避けて通れない。

 ジョゼ・モウリーニョである。

 近ごろは過去の成功体験に囚われすぎ、トッテナムでもユナイテッドでも失敗続きだが、2004年5月にFCポルトをチャンピオンズリーグ優勝に導くと、2カ月後にはチェルシーの監督に就任した。

 口八丁手八丁の彼は、巧みな心理戦で対戦相手の監督を混乱に陥れた。その手法は賛否両論あるものの、モウリーニョがヒールを演じることで対立の構図が明らかになる。プロスポーツはエンターテインメントでなければならない。モウリーニョのスタイルによって、多くの対戦が盛り上がった。

 また、彼と共にポルトからやって来たリカルド・カルバーリョとパウロ・フェレイラもプレミアリーグに即フィットした。

「酷いね」

「センターバックじゃないな」

 今から20年ほど前、イングランドのメディアはR・カルバーリョを酷評していた。

 当時は強く当たり、相手FWの戦意を喪失させるようなタイプを求めていたため、的確な状況判断を長所とするポルトガル人CBがお気に召さなかったようだ。

 しかし、人に強いジョン・テリーとカバーリングに優れたR・カルバーリョの補完性は抜群で、プレミアリーグでわずか15失点。この記録はいまだ破られていない。

 イングランドのメディアは沈黙するしかなかった。

 P・フェレイラは相手の攻撃を遅らせたり、中盤が手詰まりになった際に近寄ってパスを受けたり、インサイドワークに長けたライトバックだった。チームファーストの姿勢や継続性も高く評価され、チェルシーが2004-05シーズンからプレミアリーグを連覇した際の影のヒーローとして、サポーターには依然として熱く支持されている。

C・ロナウドの移籍を成立させた敏腕エージェント

 モウリーニョとR・カルバーニョ、P・フェレイラの成功により、プレミアリーグではポルトガル人に対する関心が高まっていった。そんな中、多くの選手をマネジメントしていたのが敏腕エージェントとして知られるジョルジュ・メンデスである。

 彼の顧客で最も活躍したポルトガル人と言えば、クリスティアーノ・ロナウドを置いて他にないが、スポルティングからユナイテッドに移籍した際にはファーガソン監督とメンデスの信頼関係も大いに役立ったと言われている。

【次ページ】 チェルシー、シティが新たなポルトガル人選手に興味

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