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ブンデスのデュエル王・遠藤航は「日本のメッシで静かなリーダー」? 絶対的な信頼を得た理由<市場価値400%アップ>

posted2021/05/24 11:01

 
ブンデスのデュエル王・遠藤航は「日本のメッシで静かなリーダー」? 絶対的な信頼を得た理由<市場価値400%アップ><Number Web> photograph by Getty Images

今季のブンデスでデュエル勝利数No.1となった遠藤航。充実の時を迎えている

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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欧州サッカーの2020-21シーズンが終了しました。そこで今季、各国で活躍が目立った日本人選手についての総括を複数回にわたってお届けします。今回はブンデスリーガで“デュエル王”となった遠藤航です。

 シュツットガルトの地元紙『シュツッツガルター』は、日本代表MF遠藤航を「チームMVP候補の1人」と取り上げていた。この評価に疑問を持つ人はいないだろう。

 今季リーグ戦、1対1の競り合いにおける勝利数は476でリーグ最多となった。走行距離でもベスト3に入っており、ボランチながら3ゴール3アシストというスコアは特筆に値する。

 最終節前の第33節ボルシアMG戦では、ペナルティエリア外でボールを受けると巧みなステップからシュートへ持ち込み、見事なゴールを決めている。チームを逆転勝利に導くゴールに、シュツットガルトファンも「日本のメッシ!」「すげぇ、すげぇ、すげぇ!」「チームで一番大事な選手!」とネット界隈で大騒ぎだった。

「ワタルは試合運びにおけるファクター」

 移籍加入当初、遠藤の獲得をクラブに進言したスベン・ミスリンタートSDは「ワタルは我々の試合運びにおける重要なファクター。チームに安定感をもたらしてくれる選手だ。他の選手がどのように守備をすべきかをオーガナイズし、1対1の競り合いでものすごく知的に対応する。ボールを奪うと、素晴らしい技術で切り替えに貢献してくれる。我々のリーダーで心臓部の1つと言える」と最大限の賛辞を贈っていたが、これは決してリップサービスではなかった。

 昨季は1部昇格の立役者となり、今季はチームを引っ張る中心的な存在だ。最終節までヨーロッパカンファレンスリーグ戦出場権獲得の可能性を残せていたのは、遠藤の活躍があったからこそと言える。

 ちなみに、遠藤の市場価値は160万ユーロから800万ユーロへ1年弱で400%もアップしている。

 そんな遠藤が、今年3月頃の『stadion aktuell(スタジアム・マガジン)』でサッカーキャリアのハイライトや挑戦について答える企画があったが、シュツットガルトについての質問コーナーで自身の役割については次のように答えていた。

【次ページ】 「キャプテンとしてプレーできたことも誇り」

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