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“NEXTバーディー” が挫折から成り上がり中…「 19歳で6部→6年後イングランド代表」と「12部→2部の196cm砲」、 2人のFWの名は? 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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posted2021/05/02 11:02

“NEXTバーディー” が挫折から成り上がり中…「 19歳で6部→6年後イングランド代表」と「12部→2部の196cm砲」、 2人のFWの名は?<Number Web> photograph by Getty Images

ワトキンスはバーディーのような成り上がり大活躍を見せられるか

 プレミアリーグデビューとなる今シーズンの活躍は知ってのとおり。王者リバプール戦でハットトリックを決めると、自ら「ファンだ」と語るアーセナル相手に憧れのエミレーツ・スタジアムで2ゴールを叩きこんだ。

代表デビュー戦でドラマチックな初ゴール

 これだけのインパクトを残せば、ガレス・サウスゲイトが注目するのにそう時間はかからない。3月の欧州予選を戦うイングランド代表メンバーに選出され、ウェンブリーで迎えた第1節で途中出場。その20分後に代表初ゴールを挙げた。

「信じられない。正直、ずっと夢見ていたことだ」

 試合後こう喜びを語ったワトキンス。たしかに、6年前ノン・リーグでプレーしていた自身が代表まで上り詰めることは想像できなかったのかもしれない。しかし、それは彼の弛まぬ努力が生んだ結果だ。

 今年1月、『スカイスポーツ』のインタビューで彼はウェストン時代をこう振り返った。

「正直なところ(ウェストンへのローンは)、『ここに戻ってくるのは嫌だから、しっかりとハードワークして、より高いレベルでのプレーを目指し、自分のキャリアで成功するようにしなければ』と考えさせられた」

「決してノン・リーグを冒涜しているわけではなく、(この経験が)僕に突き進む意志を与えてくれて、モチベーションを高めてくれたんだ」

19歳で味わった挫折がモチベーションとなった

 19歳の青年が味わった大きな挫折。それは彼の中で反骨へと変わり、いつしか成長のモチベーションとなった。

 また同じインタビューで現在アストンビラの監督を務めるディーン・スミスとのエピソードを明かしている。

「どうやって僕に目を付けたのか分からないが、彼(スミス)が言うには最初に僕を見たのはウェストン・スーパーメアの時らしい。僕はそれをブレントフォードと契約する時まで知らなかったよ」

 ワトキンスがブレントフォードと契約した当時、クラブの監督を務めていたのはスミスだった。その2年前にノン・リーグで目の色を変えた青年を見つけたことが、このシンデレラ・ストーリーの始まりなのだ。

 現在プレミアリーグで12ゴールを挙げ、イングランド代表でのゴールも記録したワトキンスはまだ25歳。彼の物語はまだ終わらない。

もうひとりのNEXTバーディー候補生

 イングランドとは代表チームの競争力が異なるが、ノン・リーグからプレミアリーグ挑戦の可能性があるという点で、もうひとりNEXTバーディー候補生を紹介したい。

【次ページ】 土日はフットボール、平日はトレーナー

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