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内藤哲也がIWGPインターコンチネンタル「だけ」に挑む“最大の理由” あの「1.4」の屈辱を晴らすため? 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2021/02/17 11:03

内藤哲也がIWGPインターコンチネンタル「だけ」に挑む“最大の理由” あの「1.4」の屈辱を晴らすため?<Number Web> photograph by Masashi Hara

SANADAとの防衛戦を制した飯伏幸太(右)の前に現れた内藤哲也

IWGPヘビー級は最強ではあるが最高ではない?

 今年の1.4で内藤から2冠を獲得し、1.5でジェイ・ホワイトを下して「神になった」飯伏は「2本のベルトを1本にする」ことを望んだ。飯伏にとって、神と崇める中邑真輔が2番手ではなく反骨のアイデンティティーとして唯一無二の存在にしていたIWGPインターコンチネンタルは思い入れのあるベルトだ。「最強」のIWGPヘビー級と「最高」のIWGPインターコンチネンタルという2つを1つにする。それは「プロレスを広める」「世界一の競技にしたい」という自身の夢のためであり「結局、1つを賭ける人っていうのはいなかった」ことで統一の方向に動いた。

 しかし、今度はIWGPヘビー級の価値が曖昧になってしまった。最高峰であるはずなのに、最強ではあるが最高ではない、という矛盾を抱えることになり、内藤はそれを見過ごせずに今回の挑戦表明に動いた。

IWGPインターコンチネンタルのみに挑戦することで

 2.14の試合後には、史上初の2冠王者となった時と同じく「頂点はIWGPヘビー級王座」と言い「IWGPヘビー級王座にあこがれ、IWGPヘビー級王座を目指して新日本プロレスへ入り、そして歩んできた男の、IWGPヘビー級王座への敬意」で統一に反対したことをはっきりさせた。IWGPインターコンチネンタルのみに挑戦することでIWGPヘビー級の価値を再び確かなものにしようとしているのだ。 

 1.30の愛知でのNEVER戦が前哨戦でのやり取りからタイトルマッチの内容そのものまで全ての部分で広島での2冠戦よりも注目を集めた。IWGP USヘビー級のベルトはKENTAがジョン・モクスリーを追ったことでAEWとの初遭遇を生んだ。高橋ヒロムは東京ドームのメインイベントでIWGPジュニアヘビー級のタイトルマッチをすることを夢として掲げているし、タッグ戦線も盛り上がりを見せている。相対的に、IWGPヘビー級王座の存在感が小さくなってしまっている。

【次ページ】 棚橋が語った2本のベルトの存在意義

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