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「迷った時は険しい道を選べ」世界最高峰NHLを目指す大学生・三浦優希が続けるアウトプットと描く未来 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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photograph byLake Superior State University Hockey Team

posted2021/01/15 11:00

「迷った時は険しい道を選べ」世界最高峰NHLを目指す大学生・三浦優希が続けるアウトプットと描く未来<Number Web> photograph by Lake Superior State University Hockey Team

NHLを目指す三浦優希。現在はレイクスーペリア州立大学に通う4年生だ

 学業や競技活動で学生生活は当然忙しい。「むしろ勉強がメインだと思っています。NCAAという環境自体が、スチューデントアスリートと言って“アスリートの前にスチューデントである”をモットーにやっているところです」と三浦が話すように、1週間の練習時間も20時間までと定められており、学業成績が伴わなければ練習や試合への参加も禁じられる。

 主な生活サイクルは、午前中に授業を受け、昼から夕方までチーム練習やウエイトトレーニング。夜に授業があれば出席する。1年間で取れる単位数が限られているため、卒業まで継続して勉強する環境だという。三浦は過去のnoteで“大学に入る前は、きっと「文武両道なんだな」という風に思っていましたが、私からしたら「文が7割、武が3割」くらいの感覚です(笑)”と綴っている。

 そんな中でハードな生活を過ごしながら、チームでは中心選手として活躍し、英語でのコミュニケーションもいまや何の問題もない。

「アスリートが社会に出て、苦労する」

 昨夏には、さらに責任を伴う新たな挑戦した。帰国中に参加した3カ月弱の期間でのインターンだ。母国でのんびりとした時間を過ごすことや仲間と遊ぶことに興じても不思議ではない年齢だが、三浦はここでも挑戦を選んだ。

「よく聞く“アスリートが社会に出て、苦労する”ということを、ただ聞いているだけではなくて、実際に自分がその環境に入って、どのように感じるのかを知りたかったからです」

 株式会社ユーフォリアでスポーツ選手のコンディション管理のためのソフトウェア『ONE TAP SPORTS』のユーザーサポートを担う仕事を経験した。新型コロナ禍の影響で、オンラインやメールでのやり取りが主だったが「各チームが抱える課題や勝利を目指す上でのヒントを知ることができました。サービスを提供する側として相手の課題や狙いを知り、それに対するアプローチを考えることは競技に通じることだと思いました」と多くの収穫を得たという。

 始める前は「実はメチャクチャ不安でした」と振り返るが「自分にしかない経験を活かすことができました」と手ごたえを感じた。

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三浦優希

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