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【ベンゲル独占インタビュー】日本への敬意 Jでの監督生活は「腰掛けなどではなかった」と強調するワケ

posted2021/01/05 11:01

 
【ベンゲル独占インタビュー】日本への敬意 Jでの監督生活は「腰掛けなどではなかった」と強調するワケ<Number Web> photograph by Getty Images

独占インタビューに応じてくれたベンゲル。四半世紀前に名古屋で見せたサッカーは鮮烈の一言だった

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フィリップ・オクレール

フィリップ・オクレールPhilippe Auclair

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 2020年10月13日、英国でアーセン・ベンゲルの著書『My Life in Red and White』が出版された。アーセナルで22年もの長期政権を築いた元監督の自伝は、この国の出版社が揃って照準を定めていた大きな獲物のようなものだ。

 かくいう筆者も、当人の意思を確認してみたことがある。それも、1度や2度ではない。同じロンドン在住のフランス人で、素顔はアーセナル・ファンである筆者は、同僚の間でゴーストライター候補の1人と目されてもいた。

「赤と白」に彩られた監督人生だった

 実際、アーセナル指揮官としての彼に記者として接した20年間では、誰よりも多く独占インタビューの機会を得ていたという自負もあった。ところが肝心のベンゲルは、「監督として仕事をしている限りはあり得ない」の一点張り。自伝の話を振るたびに「そのときが来たら声を掛けるから」と言われてきた。

 そして……声は掛からなかった。

 ベンゲルは自らの手でナンシー、ASモナコ、名古屋グランパスエイト、アーセナルと、采配を振るったすべてのクラブに共通しているカラー、「赤と白」に彩られた人生を綴る決心をした。

 それは、FIFAにおいてサッカーの国際的発展を促進する「グローバル・フットボール・ディベロップメント」部門の責任者を任されて間もなかった頃のこと。年齢も70代に入り、もはや監督としての現場復帰はないと認識したということだ。

【次ページ】 任務を遂行するために心血を注ぐ覚悟でいた

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アーセン・ベンゲル
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