――今季、監督として選手に強調してきたことは、具体的にどんな部分ですか？

三浦：いまのサッカーはJ1もJ2もJ3も、インテンシティーの高さが1つのトレンド。昨年昇格した北九州や群馬、今年の秋田を見ても、機動力があり、走れるチームでないといけないと感じていた。だから今年は練習の中でも少し球際が緩かったり、切り替えが遅かったりしたときは、口酸っぱく言っていた。「切り替えが遅い選手は試合でも使わないよ」と。

　もちろんそれができる選手とできない選手がいる。そこに対しては意識の部分を観察するようにしていた。例えば、「100mを10秒で走れ」と言っても全員が走れるわけではない。ただ「10秒で走ろう」としていることが大切であって「これは少しサボっているな」という選手は使わないよと。そういうスタンスだった。そういう意味では、チームのベクトルも揃ってきたかなと思う。

――先日のJリーグアウォーズでは「J3優秀監督賞」も受賞しました。

三浦：欲しくてももらえるものではないし、評価してくれたことは自分にとっても自信になる。ただ、自分1人の力で成し遂げたわけではなくて、選手やスタッフ、クラブの力があっていただけたものだと思っているから、これに慢心することなくしっかりやっていきたいなと。ただ、嬉しかったし自信にもなるよね。

“魔境J2”での戦いに向けて

――昇格の喜びも束の間、約2カ月後にはJ2の戦いが始まります。

三浦：J2はタフなリーグだと思う。あとはこれだけ資金力にバラつきのあるリーグはないと（笑）。（コーチを務めた）福岡や岡山のときにも「難しいリーグだな」と感じていたし、いくら準備しても敵わない部分があったり、理屈を超えてくるような部分があるというか……。京都の（ピーター・）ウタカ選手なんかがまさにそうで、来季は彼らと同じカテゴリーになるので、どう抑えるかということも考えないといけない。

　あとはJ3以上に試合数も多いし、今までよりも情報や分析のデータが重要になってくる。勝点を計算したときには、もしかすると相手によっては勝点1で良しとしたり、カウンターで一発を狙うという試合も出てくるかもしれない。自分たちのサッカーで主導権を握るという試合も大事になる。そういう意味では相手を見ながら戦い方を変えていくことも必要になると思う。

――来季はJ2も4クラブが降格するという厳しいレギュレーションの下で戦うことになります。