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【FAウラ話】巨人との“競争”から降りた星野仙一、ダルビッシュ電撃トレード、稲葉の心に野村克也の教え

posted2020/12/10 17:01

 
【FAウラ話】巨人との“競争”から降りた星野仙一、ダルビッシュ電撃トレード、稲葉の心に野村克也の教え<Number Web> photograph by JIJI PRESS

中日は1999年オフに工藤公康のFA獲得に動いていたが、指揮官・星野は途中で方針を変更。生え抜き選手たちへの思いを口にした(右は野口茂樹)

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NumberWeb編集部

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雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回はFA(フリーエージェント)にまつわる4つの言葉です。

<名言1>

一番勝っているチームから欲しいと言われて、すごく光栄なことだと思います。
(ダルビッシュ有/Number933号 2017年8月9日発売)

 2017年7月31日、トレード最終期限当日。レンジャーズからドジャースへの電撃移籍が成立した。メジャー6年目を迎えていたダルビッシュにとってこのシーズンは契約最終年にあたる。シーズン終了後にはFA権を獲得するため、レンジャーズがポストシーズン争いから脱落した時点でリリースすることは確実視されていたが、それが現実となった形だった。

 ドジャースはダルビッシュひとりに対し、若手有望株3人をレンジャースへ放出。地区優勝争いをぶっちぎりでリードしていたドジャースがそこまでして手に入れたかったのは、ダルビッシュをポストシーズンの最重要戦力として考えているからに他ならない。つまり「優勝請負人」としての働きを期待してのトレードだった。

ワールドシリーズ進出へ貢献

「プロとしてアジャストできるようにするだけ。ちゃんとチームに溶け込めるようにと、今はそれしか考えていません」と臨んだドジャースでの移籍後初登板ではいきなり10奪三振を記録すると、ポストシーズンで自身初となる白星を挙げて、ワールドシリーズ進出へ貢献した。ワールドシリーズでは先発した2試合で敗戦投手となったが、その期待に見合う存在感を発揮した。

 翌18年2月にFAでカブスへ移籍。怪我に苦しんだシーズンを過ごしたが、その後は目覚しい活躍を見せて、今季はサイ・ヤング賞投票で2位にランクイン。MLBの舞台で確固たる地位を築いている。

【次ページ】 「途中からカネの競争になったとき考えたんだ」

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