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今季のMLBに起こり得る異常事態。
23日間で27試合の衝撃と奇跡の予感。

posted2020/08/13 07:00

 
今季のMLBに起こり得る異常事態。23日間で27試合の衝撃と奇跡の予感。<Number Web> photograph by Mike Stobe/Getty Images

今季MLBは公式戦が60試合しかなく、すでに4分の1を終えたチームが多い。今季ならではの事情で波乱が予想される。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 すでに8シリーズ以上、計29試合が選手や関係者の新型コロナウイルス感染のために中止になっているメジャーリーグ(MLB)が、もしも、何とかシーズンをやり遂げることが出来たなら、興味深いことが起こる。

 8月10日月曜日、大多数のチームは60試合しかない公式戦の4分の1にあたる15試合以上を消化した。いつもなら「まだ序盤でしょ?」と言える試合数だが、今季はそんなにのんびりと構えていられない。

 ましてや今季はプレーオフに進出できるチーム数が、通常時の10チームから全30チームの半分以上にあたる16チームに増えたのだ。上位にいるチームは可能な限り、下位のチームを引き離しておきたいし、下位のチームは一刻も早く、上位のチームに追いつきたい。

今年だからこそのアドバンテージも。

 今季のプレーオフ形式ではまず、東、中、西各地区の公式戦の優勝チームがトップ3のシード権を得て、その優先順位は公式戦の勝率によって1位、2位、3位となる。各地区優勝チームの次に無条件でシードされるのは各地区2位チームで、これもシード権は公式戦の勝率によって4位、5位、6位となる。

 上位6チームは各地区における順位が大事になるのだが、通常時と変わらない2枚のワイルドカード(WC)は勝率だ。各地区3位チームの中から、勝率の高い2チームがWCとしてプレーオフ進出の権利を与えられ、最後の7位、8位を得るわけだ(各地区2位のチームより勝率が高くても、シード権の順位は変わらない)。

 シード権と言っても、ベースボールにはバスケットボールやフットボールのような「ホーム・アドバンテージ」はないし、そもそも無観客試合なのだが、新型コロナウイルス対策でホテルに缶詰めにされることなく、家から通えるという大きなアドバンテージがある。もちろん、上位チームにとっては勝率の低いチームが対戦相手になるので、普通に考えれば与し易しとなる。

 たとえば8月10日の試合終了時の両リーグの順位でプレーオフの第1ラウンド=2戦先勝方式のWCシリーズの組み合わせを仮想すると、こうなる。

【次ページ】 予想外のチームが進出する可能性。

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