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日本人ゴルファーはプロアマが苦手?
日米で違う「スーパーマン」の自負。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byAFLO

posted2020/07/03 11:00

日本人ゴルファーはプロアマが苦手?日米で違う「スーパーマン」の自負。<Number Web> photograph by AFLO

ゲーリー・ウッドランドは2019年度の世界ランキングで17位。それは「スーパースター」を意味する数字なのだ。

スターには役目がある、という感覚。

 いやいや、全米オープンが開催できるかどうかもさることながら、ウイングドフットやその近郊で暮らしている人々の健康や命の無事を願い、そのために動くことは「ディフェンディング・チャンピオンである僕の役目だ」と、ウッドランドは感じている。

 かつて、愛妻が身ごもった男女の双子のうちの女の子がこの世に生まれてくることができず、ウッドランド夫妻は大きなショックと悲しみに包まれた。が、その後、医療関係者の励ましや助言を受けて立ち直ることができた。

 2019年2月には、米ツアーのフェニックス・オープン開幕前にダウン症の女子大生ゴルファー、エイミー・ブロッカーセットさんと交流し、TPCスコッツデールの名物ホールの16番を一緒にプレーして大観衆から拍手喝采を浴びた。

 そのエイミーさんの熱い応援を受けながら、ウッドランドは6月に全米オープンを初制覇。その2カ月後に元気な双子の女の子に恵まれ、幸せな家庭を築き、公私ともに充実した日々を得ることができている。

 すべては、医療従事者のおかげであり、天から授かった幸せであり、世の中へ恩返しをすることは当然である。とりわけ、今年の全米オープン開催地の病院への支援は、ディフェンディング・チャンピオンである自分の役割であり、使命でもある。

笑顔でエンターテイナーになれるか。

 我こそは、それを行なうべき、チャリティ大使であり、スーパーマンである――そう認識し、自負しているからこそ、ウッドランドは動いたのだと思う。

 そういうチャリティ大使やスーパーマンに率先してなれるかどうか。名乗りを上げることができるかどうか。それは、プロアマ戦やプロアマ形式の大会で笑顔でエンタテイナーを務めることができるかどうかでもある。

 その分れ目は、どれだけ謙虚になれるか、どれだけ感謝の念を抱けるか、どれだけ相手をリスペクトできるかである。

 人間性を磨けば磨くほど、社会へ貢献したくなり、そうせずにはいられなくなる。

 最近は「チャリティ大使」や「スーパーマン」が増えて増えて目まぐるしい――そんな現象が日本のゴルフ界でも起こることを願ってやまない。

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