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ホンダが再開するF1で目論むこと。
「撒いた種が今年は花を咲かす」 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byGetty Images

posted2020/06/23 20:00

ホンダが再開するF1で目論むこと。「撒いた種が今年は花を咲かす」<Number Web> photograph by Getty Images

昨年はホンダにとって13年ぶりの優勝を果たしたオーストリアGP。ゲンのいいサーキットでの再開幕に期待が高まる。

新しい日常を採り入れたF1。

 これから再開されるレースも、これまでとは違い、新しい日常を採り入れた新しいF1となる。

「オーストリアへ出発前に、レッドブルのファクトリーへ行ってPCR検査をします。ホンダはレッドブルが用意してくれたチャーター機で6月30日にレッドブルと一緒にロンドンからオーストリアへ入ります。再開後、少なくとも3レースはメディアが原則、入場禁止となっているため、ホンダだけでなくレッドブルやアルファタウリの広報スタッフもサーキットへは行かず、ファクトリーでテレワークすることになっています。

 また現地でスタッフが食事するモーターホームを持ち込むことも自粛しているので、レース関係者はサーキット側が準備した食事をサーキットでチーム別にとることになります。異なるチームがホテルで接触しないよう、チームごとに違う場所に宿泊するとも聞いています。さらにホテルは寝るために帰るだけで外出禁止。もし違反したら、パスが取り上げられるらしいです」(山本)

オーストリアで力強い走りを。

 だからこそ、再開されるレースに向けては、いつも以上に力が入る。

「無観客でも、どんなに厳しい制限での再開になろうとも、レースができるという環境を整えて、実施すると判断してくれたFIA、フォーミュラ・ワン・グループ、そしてサーキット関係者には感謝しかありません。だからこそ、再開されたレースでは力強い走り、戦いを披露したい。

 オーストリアでは昨年も、スタート直後に一時8番手まで後退した後に逆転して優勝しました。今年はスタートで下がってほしくはないんですが、昨年のような力強さを披露したい。そして、ホンダ・ファンをはじめ、モータースポーツを愛する世界中の多くのファンに勇気や元気を与えられればいいと思っています」

 7月3日金曜日、F1がオーストリアで再開する。新たな時代の新しいF1。いままでにない感動を楽しみに待ちたい。

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山本雅史
ホンダ

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