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鹿島が提案する新しい試合観戦方法。
“投げ銭”でクラブもファンも大喜び!? 

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池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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photograph byKASHIMA ANTLERS

posted2020/06/19 10:00

鹿島が提案する新しい試合観戦方法。“投げ銭”でクラブもファンも大喜び!?<Number Web> photograph by KASHIMA ANTLERS

「鹿ライブ」に登場した河村太朗アナ、中田浩二、曽ケ端準、小笠原満男、柳沢敦。

新企画に対し、視聴者からの好意的なコメントが続々。

 権利面の調整から告知期間が実質2日間だったにもかかわらず、総閲覧回数は約5万7000回、総視聴者数は約1万5500人、同時視聴者数は最大3700人を超えた。視聴者の反応も良く、小笠原がサプライズで登場すると視聴者数とギフティングが増加。「#鹿ライブ」「#満男」がTwitterで当日のトレンド入りを果たした。

 実際にSNS上には視聴者からの好意的なコメントが並んだ。なかには「事前課金してタップで投げ銭できれば、もっと投げちゃう」「投げ銭して、もらえるデジタルフォトの種類を多く用意してランダムでの提供にすれば、コンプリートしたくなるのでは?」など、より良くなるためのアイディアもあふれた。

 担当スタッフも「施策に対しては新しいチャレンジをポジティブに受け取ってくださる方が多く、“この状況でも一緒に頑張りましょう”という声をいただき、手応えを得ることができた」と振り返る。

 ギフティングについては、視聴者のうち約6%の計926人が配信番組に対して支援した。収益額は非公表だが、小笠原の現役時代の背番号にちなんで4040円と設定する人や、2万円以上を寄付する視聴者なども多く見られたことから、単純計算以上の収益を得られたことが容易に想定できる。

リアルタイムでの試合にもギフティングを導入。

 6月20日の町田ゼルビアとのトレーニングマッチで、クラブとして2回目の実施が発表されている。過去の名勝負観戦での施策を経て、次は現在進行形のチームの戦いとなる。次にどんなプレーが出るのかわからないなかでのチャレンジだ。そこで視聴者はどんな反応を見せるのか。新しい課題も可能性も見えてくるだろう。

 小泉社長はこう振り返る。

「あの小笠原選手のフリーキックは改めて見ても興奮しました。サポーターの皆さんも喜んでくれたのではないかと思っています。ギフティングは、いずれ取り入れたいと考えていたのですが、タイミング的にも、この状況下だったからこそ前倒しでトライしました。実質、準備期間は1週間程度でしたが、実施できてよかった。無観客のときだけでなく、様々な活用方法があるので、今後につながるものになったと感じています」

【次ページ】 クラウドファンディングからふるさと納税まで。

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