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デアリングタクトが歴史を作る?
オークス優勢を支える根拠の数々。

posted2020/05/23 19:00

 
デアリングタクトが歴史を作る?オークス優勢を支える根拠の数々。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

2020年牝馬クラシックの主役に躍り出たデアリングタクト。ここを勝って3冠に手をかけるか。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 今年のクラシックは、コロナ禍による戦時中以来の無観客競馬ということのほか、プラスの意味でも「歴史的なクラシック」になるかもしれない。

 日本のターフに新たな歴史を刻もうとしているのは、第81回オークス(5月24日、東京芝2400m、3歳牝馬GI)に出走する無敗のデアリングタクト(父エピファネイア、栗東・杉山晴紀厩舎)である。

 とにかく、前走、桜花賞の勝ちっぷりが凄まじかった。

 重馬場のなか、道中は離れた後方に待機。直線入口では届かないかに見えたが、1頭だけ別次元の脚で豪快に伸び、2歳女王のレシステンシアを並ぶ間もなく差し切った。

 とても道悪でのレースとは思えない瞬発力で、令和初の桜の女王となった。

牡馬2強との対決は秋か。

 新馬戦、エルフィンステークスにつづく3戦3勝での戴冠。デビュー3戦目での桜花賞制覇は、2歳戦が行われるようになった1946年以降、’48年ハマカゼ、’80年ハギノトップレディに並ぶ最少キャリア。無敗での桜花賞制覇は、2004年ダンスインザムード以来16年ぶり、史上7頭目と、この時点ですでに競馬史に名を刻んでいた。

 新馬戦からエルフィンステークスまでは約3カ月、そこから約2カ月で桜花賞と、間隔をあけて使われてきた。桜花賞後、少しでも長くリフレッシュの時間を取るため、陣営はダービーも選択肢に入れていたのだが、結局、牝馬同士のオークスに回ってきた。

 コントレイル、サリオスの「牡馬2強」との対決が見られるのは秋以降になりそうだ。

 デアリングタクトがオークスを勝てば、'57年のミスオンワード以来、'63年ぶり2頭目の「無敗の牝馬クラシック二冠馬」となる。ちなみに、ミスオンワードは、8戦8勝でオークスを制した翌週、連闘でダービーに出走し17着に敗れている。

【次ページ】 阪神1600mと東京2400mの関係。

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