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デムーロの“お手本騎乗”が炸裂。
ラウダシオンがNHKマイル制覇。

posted2020/05/11 11:40

 
デムーロの“お手本騎乗”が炸裂。ラウダシオンがNHKマイル制覇。<Number Web> photograph by Kyodo News

ラウダシオンが無敗馬たちに土をつけたことで、この世代の力関係は混沌に戻った。次の顔合わせが楽しみだ。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 現3歳世代のGIで5レースつづいていた無敗馬による勝利は途切れた。2頭の無敗馬を下し、3歳マイル王の座をもぎ取ったのは、強力な先行力を武器とする伏兵だった。

 無観客で行われた第25回NHKマイルカップ(5月10日、東京芝1600m、3歳GI)を、ミルコ・デムーロが騎乗する9番人気のラウダシオン(牡、父リアルインパクト、栗東・斉藤崇史厩舎)が優勝。初めての重賞勝ちを、GI制覇で飾った。

 出走馬18頭のうち重賞勝ち馬が5頭。うち2頭は無敗馬だったのだが、それらが1、2番人気ではなかったことが、この一戦のレベルの高さを物語っていた。

 1番人気は昨年の2歳女王のレシステンシア。2番人気は重賞2勝に加え、朝日杯フューチュリティステークス2着の実績があるタイセイビジョン。無敗のサトノインプレッサとルフトシュトロームは3、4番人気だった。

デムーロは前目の位置を選択。

 ゲートが開くと、大方の予想どおり、クリストフ・ルメールのレシステンシアがハナに立った。そのまま単騎で逃げるのかと思いきや、外からデムーロのラウダシオンが上がってきて、レシステンシアと並走する形になった。これがテン乗りだったデムーロはこう振り返る。

「何回も映像を見たところ、スタートはいつも出ていますし、今回は1600mですけど、いいところにつけたいと思っていました」

 向正面半ば過ぎからレシステンシアが再び単独で先頭を走る形になり、ラウダシオンは1馬身ほど離れた2番手となった。

 前半800mは46秒0。後半800mは46秒5だから、数字のうえではやや速い流れになった。しかし、先頭から最後方までは10馬身から11馬身ほどと、馬群はスローペースであるかのように比較的かたまっていた。

【次ページ】 ラスト200m、「これはイケるかな」。

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ラウダシオン
ミルコ・デムーロ

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