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将来は名門新聞社社長も兼務する!?
囲碁トッププロ・一力遼八段は何者?

posted2020/05/05 08:30

 
将来は名門新聞社社長も兼務する!?囲碁トッププロ・一力遼八段は何者?<Number Web> photograph by KYODO

早碁の世界一を争う第1回日中韓竜星戦に日本代表で出場した一力八段。決勝で中国の柯潔九段(右)に敗れ、準優勝となったものの力を見せた。

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内藤由起子

内藤由起子Yukiko Naito

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KYODO

 今年4月1日、囲碁ファンが驚く報道があった。

「一力遼八段が河北新報社に入社」したというのだ。

「河北新報社」創業家の一力雅彦社長のひとりっ子である一力八段。家業を継ぎ、将来は「社長棋士」になるのだろうか。

 一力八段は、プロ入り10年目の22歳。芝野虎丸名人・王座、許家元八段(前碁聖)とともに「令和三羽烏」と呼ばれ、NHK杯や阿含・桐山杯、アンダー20歳の国際棋戦で優勝するなど次代を担う若手トップ棋士だ。

 現在、早碁棋戦の「竜星」のタイトルも持っている。

「東京支社編集局に配属となりました」

 弁護士と兼業している棋士もいるが、一流棋士となると二足のわらじは前例がない。

「東京支社編集局に配属となりました。最初は囲碁に関する記事を書く機会が多くなるでしょう。棋士としての経験を生かし、紙面を通して囲碁の魅力をより多くの方々に発信していきたいと考えております」と本人は言う。

 大棋士への道を着実に歩んでいる状況でサラリーマンにもなる。いったいどうなるのかと、ファンは心配しているのだ。

 5歳で囲碁を覚えた一力少年はたちまちはまり、小学校2年生でプロ養成機関の「院生」となった。地元・仙台市から土日に東京に通う生活を送る。

 プロへの意識が強くなったのは小学校5年生のときだ。東京に出て、もっと碁に集中したいと親に訴えたのだ。

「最初は父も戸惑っていたかも知れませんが、東京行きには理解を示してくれました」と一力八段。

 ひとりっ子でもあるため、「将来は会社のほうも」と親が考えていることは、一力八段もわかっていたようだ。

【次ページ】 母親とともに上京して腕を磨く。

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