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コントレイルが皐月賞をひとマクリ。
「ディープの最高傑作」が真実味。

posted2020/04/20 11:50

 
コントレイルが皐月賞をひとマクリ。「ディープの最高傑作」が真実味。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

コントレイルとサリオスの2頭が、前評判とおりに他を寄せ付けない一騎打ちを見せた。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 無敗のGI馬2頭の初対決は、壮絶な叩き合いのすえ決着。無観客のなか繰り広げられたマッチレースは、競馬史に残る名レースとして記憶されるだろう。

 クラシック三冠競走の皮切りとなった第80回皐月賞(4月19日、中山芝2000m、3歳GI)を、福永祐一が騎乗した1番人気のコントレイル(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。昨年のサートゥルナーリアにつづく、史上18頭目の「無敗の皐月賞馬」となった。

 前日の雨のため、皐月賞当日の中山芝コースは重でスタートした。第8レース以降は稍重発表となり、強い風と陽差しが芝をさらに乾かしたが、それでも2勝クラスのマイル戦の勝ちタイムが1分35秒1、2000mのそれが2分3秒0もかかるなど、「道悪」と表現すべき状態だった。

 そんななか、コントレイルが引いたのは1枠1番。道悪での内枠は有利とは言えない。もう1頭の無敗のGI馬サリオスは4枠7番からの発走となった。

福永も想定外だった後ろからの競馬。

 ゲートが開き、18頭の出走馬がほぼ横並びのスタートを切る。

 まず8番ウインカーネリアンが飛び出し、それを14番キメラヴェリテらが追い抜いてハナに立った。ダミアン・レーンが騎乗するサリオスは、速いスタートを切り、手綱を抑えたまま先行している。

 一方のコントレイルは、周りを他馬に囲まれ、中団より後ろの位置取りになった。福永はこう振り返る。

「スタート自体はよかったのですが、馬場の内が悪いのもあったのでしょうね。あまり前に進んで行きませんでした。ペース次第では前目の2番手、3番手につける競馬も頭に入れていたのですが、想定外のレースになってしまいました」

【次ページ】 後方待機を可能にした返し馬の感覚。

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コントレイル
福永祐一

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