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Vリーグ入替戦中止で食い違う解釈。
混乱を招いた原因、Jリーグとの差。 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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posted2020/03/25 15:00

Vリーグ入替戦中止で食い違う解釈。混乱を招いた原因、Jリーグとの差。<Number Web> photograph by V.LEAGUE

V2・2位のヴォレアス北海道は、3月14、15日の入れ替え戦でV1・10位のVC長野と対戦する予定だった。

解釈が食い違うリーグとチーム。

 Vリーグの緊急時対策規程の第7条「再試合の検討」にある「不可抗力により大会の中止を決定した場合、原則として大会開催要項に定める大会開催期間内にて、中止した試合の再試合の開催を検討する」との決まりから、「今年度のリーグは3月14日、15日のチャンレンジマッチが最後ですから、その開催時期を大幅に変えてチャレンジマッチを行うという選択はない」と沖事務局長は説明する。

「ただ、延期の検討をしている最中も、チャレンジマッチに出場する両チームには連絡を取り合って、いつならできるかと尋ねましたし、ここで説明した経緯についても、同じことを6日の朝、両チームに話しています」

 納得してくれたと思っていたと語る沖事務局長と、説明を受けていないというヴォレアス側で、言い分が食い違っている状況だ。

2016年発足、最速での1部昇格を。

 ヴォレアス北海道は2016年に北海道・旭川市を本拠地として発足したプロバレーボールチームである。2017年に3部リーグに参戦し、翌年には2部に昇格。今年も2部で圧倒的な強さを見せ、最速での1部昇格を狙える位置まで来ていた。
 
 同時にその運営手腕でも注目を集めており、2部リーグながら北海道・旭川に1000人以上の観客を集め、今年度は帯広市総合体育館(よつ葉アリーナ十勝)のこけら落としとなるホームゲームも予定されていた。いわばVリーグ機構が掲げるV.LEAGUEのビジョン「バレーボールを通じ、新たなスポーツ文化価値を広く社会にアピールし、地域社会の活性化や次世代を担う青少年の育成(以下略・『一般社団法人日本バレーボールリーグ機構定款』第3条より)」を追求してきたチームである。

 池田社長は言う。

「今後もリーグに参加する以上は、Vリーグ機構との対立構造にはしたくありません」

 現在、インターネット上では「チャレンジマッチ中止の撤回と説明を求める」との名目で、ヴォレアスのスポンサー企業やサポーターを中心に2500件近い署名が集まっている。

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