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ゴンの「9番」を託された小川航基。
J1昇格、東京五輪でも日の丸を――。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byJFA/AFLO

posted2020/02/03 11:45

ゴンの「9番」を託された小川航基。J1昇格、東京五輪でも日の丸を――。<Number Web> photograph by JFA/AFLO

磐田に復帰を果たした小川航基。J1昇格、そして東京五輪と勝負の1年を迎える。

E-1選手権ではハットトリック。

 チームのJ1昇格とともに、今季の小川にとっての大きな目標がU-23日本代表での東京五輪出場だ。

 これまで年代別代表では常に日の丸を背負い、U-20日本代表として2017年韓国で開催されたU-20W杯に出場。さらにU-22日本代表が出場した昨年のトゥーロン国際大会では、エースとして初の決勝進出に貢献した。優勝こそブラジルに譲ったものの、メキシコとの準決勝と決勝で2試合連続ゴールを決めるなど、準優勝の立役者となった。

 昨年12月には、若手中心の構成となったE-1選手権で初のA代表入り。デビュー戦となった香港戦では、いきなりハットトリックをマークした。日本代表デビュー戦でのハットトリックは若林竹雄、平山相太以来3人目。森保一監督にいい形で存在をアピールすることとなった。

「オーバーエイジ不要」を証明したい。

 今年1月にも東京五輪予選を兼ねたU-23代表のアジア選手権(タイ)に出場した。一次リーグ3戦目のカタール戦では不可解なジャッジで退場者を出す苦しい展開の中、ペナルティーエリアの外から地を這うミドルシュートを叩きこんだ。

 しかし、小川の先制弾も実らず、再び理解に苦しむ判定によるPKで追いつかれ、チームは1勝もできずに屈辱の予選敗退となった。

 すでに開催国枠で五輪出場権を得ている日本代表は、明確な目標を設定しづらい状況でもあった。監督の進退問題も浮上する中で、「他の国の方が勝利への執着心が上回っていた。ここからはどんな試合でも、勝利への執着心を持って臨みたい」と小川も新たな課題を持ち帰った大会となった。

 各年代で代表入りを果たしてきた小川だが、今回の五輪メンバー入りは決して安泰ではない。日本から次々と旅立ち、各国リーグでプレーしている海外組が強力なライバルになることに加え、年齢制限に関係のないオーバーエイジ枠にはA代表で実績を残してきた選手が名を連ねる可能性もある。「オーバーエイジは要らないというところを見せていきたい」という強気の言葉だけでなく、それをプレーで証明していく必要があるのだ。

【次ページ】 復帰した磐田で背負うのは「9」。

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