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インテルで輝くアルゼンチンの新星、
マルティネスにメガクラブも大注目。 

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神尾光臣

神尾光臣Mitsuomi Kamio

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photograph byUniphoto Press

posted2019/12/01 10:00

インテルで輝くアルゼンチンの新星、マルティネスにメガクラブも大注目。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

CLグループリーグ最終節でインテルは決勝トーナメント進出がかかっている。マルティネスはその大一番で結果を残せるか。

サイドバック、MF、ウイングに。

 サッカーでのポジションは、実は「足が速かったから」という理由でセンターバック。しかし15歳でアトレティコ・リニエルスに引き抜かれると、その身体能力に惚れ込んだ当時の監督が、彼のスピードを生かすためにコンバートを試みた。

 手始めにサイドバック、そのうちにポジションはMFへ、さらにウイングへと移された。飛び級でU-17のチームに呼ばれ、リーグ戦では13ゴールを記録。その活躍は、ラシン・クラブで監督をしていたファビオ・ラダエリの目に留まった。

 後にラダエリは、イタリア紙『ラ・レプッブリカ』のインタビューでこう述懐している。

「アルゼンチンでは13歳までに才能を見出されないと遅すぎると言われている。しかし、いつもそうとは限らない。右でも左でも遜色なくボールを蹴ることができ、技術で相手を抜けるし、フィジカルの競り合いになっても勝てる。すごい才能を秘めていることは少し見て分かった」

バスケから学んだ点を獲る動き。

 ラシンはマルティネスを引き抜き、センターフォワードにコンバートさせた。

 相手DFからマークを受けて、常に背後を意識しなければならないポジション。そこで、バスケットの経験が活きることになる。マルティネスは『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙でこう語っている。

「バスケットからはターンや飛び出し方、またボールの守り方、ディフェンスのマークの外し方、そしてボールのないところでの動きを学んだ。それはとても自分の役に立った」

 センターフォワードとして能力を開花させたマルティネスはセカンドチームで面白いように点を取り、64試合で53得点を奪った。そして2015年10月31日、念願のトップチームで出場機会も得た。クルセロ・デル・ノルテ戦で交代出場。そのとき交代を命じられたのは、キャリア晩年を迎えていたあのディエゴ・ミリートだった。

 2016-17シーズンになると、本格的なブレイクを果たす。リーグ戦でもコンスタントにゴールを決め、U-20南米選手権では5得点を奪い得点王となる。当然海外の注目を集めることになり、一時期アトレティコ・マドリーが仮契約を結んだとの報道もなされた。

【次ページ】 当初のトップ下では苦しんだ。

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ラウタロ・マルティネス
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