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Bリーグ新人王・三河の岡田侑大。
「僕の自己評価は低いっす(笑)」 

text by

石川歩

石川歩Ayumi Ishikawa

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photograph byB.LEAGUE

posted2019/11/24 11:40

Bリーグ新人王・三河の岡田侑大。「僕の自己評価は低いっす(笑)」<Number Web> photograph by B.LEAGUE

拓殖大学を中退し、20歳でプロになった岡田。近い将来の日本代表を嘱望される逸材だ。

「僕の自己評価は低いっす(笑)」

 インタビューで何度も話題になったのが、岡田の自己評価の低さだった。1試合平均で10.3得点しても、新人王を獲っても、岡田は「謙虚にバスケをしないといけない」と話す。

「僕の自己評価は低いっす(笑)。試合になると別ですよ。試合は自分が一番だと思ってやるんですけど、コートを離れると自分が上だとは思わない。僕はずっとバスケのことを考えて、ただバスケ自体を楽しんでいるから、人より努力してきた感じがない。僕が大切にしているのは、自分に求められていることを絶対にやるということ。そして、勝つためにもっとやれることがあるなら、それはやらないといけない。

 バスケは、1人が上手くても全員が自分の仕事をしないと勝てない。ファンの皆さんも気持ちが1つになって、全員で勝ち切るのが一番うれしくて、楽しい。僕は勝つから楽しいし、勝つことが好き。もしかしたら、そのためのバスケットボールなのかもしれないです。勝ちたい。シンプルっす(笑)」

どんなキャッチコピーで呼ばれても。

 学生時代は学生バスケ界の“プリンス”だった。三河で比江島の抜けた穴を埋める期待感から“ネクスト比江島”と呼ばれ、代表が注目される時期は“次世代の日本代表”と言われる。しかし、どんなキャッチコピーを付けられても、岡田は冷静に自分と向き合う。

「いろんな呼び名で言ってもらうことに感謝しているし、期待を持ってもらうのはありがたいです。でも、周りが言ってくれるから代表に入れるわけではないし、比江島さんになれるわけでもない。そこで勘違いをしてしまうと伸びていけないと思うんです」

 チーム練習で一番に体育館に来るのは岡田だという。聞くと、試合のビデオを見返す時間も含めて1日の多くの時間をバスケに使っている。

 岡田には、勝つという明確なビジョンがあり、一心にそれを貫くプレーは見る人の心を打つ。だから周りは、岡田にいろんなキャッチコピーを付けたくなるのかもしれない。

 けれど、キャッチコピーなんてなくてもきっと、岡田のプレーはこれからも、大きな光を放ち続けるのだろう。
 

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岡田侑大
シーホース三河

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