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岩田康誠と浜中俊が語る家族の支え。
秋華賞を予想する“サイン”も?

posted2019/10/04 17:00

 
岩田康誠と浜中俊が語る家族の支え。秋華賞を予想する“サイン”も?<Number Web> photograph by Yasuyuki Kurose

(左から)追い切りを終えすぐ取材に応じてくれた岩田。胸の勝利数「1000」が輝いている浜中。

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齋藤裕(Number編集部)

齋藤裕(Number編集部)Yu Saitou

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Yasuyuki Kurose

 スプリンターズSも終わり、今年ももう10月。毎週末に赤色ゼッケンのサラブレッドが走る光景が当たり前になってきたかと思えば、凱旋門賞、秋華賞と続き、GIレースが毎週のように開催される秋競馬のシーズンが今年もやってきた。

 現在発売中のNumber987号では秋競馬を特集。連続インタビュー企画「秋競馬 私のベストレース」では、多くの現役騎手たちに秋競馬の思い出を聞いている。ここでは誌面で伝えきれなかった騎手たちの意外な一面を紹介していこう。

「ここでいいですか?」

 ジュース缶とステッキを手にしながら、栗東トレーニングセンターの騎手控室まで案内してくれたのは岩田康誠(45)。

 取材中の質問に対し、真摯に言葉を選びながら話す。見せる表情も真剣そのものだ。その表情が一気に柔らかくなり、少し弾んだ声で言葉を発する瞬間があった。今年43月に騎手デビューした19歳の息子の望来(みらい)の話題になった時だ。

「今年デビューしてこれからいろんな経験して、いろんな馬に乗って勉強して、結果を残さなくてはいけないという世界なんで、不安と楽しみがある」

 '11年秋のジャパンCを制したブエナビスタの口取り式に参加した当時は小学生だった次男が今年は同じ騎手に。さまざまなプレッシャーを経験した父親として息子への心配と期待は尽きない。

岩田の語る息子・望来の将来性。

 インタビュアーが「昔の自分を見るようというのはありますか」と質問すると、こう答えた。

「もっと凄いよ。JRAからデビューして、最高の環境でジョッキーになれたというのが」

 園田でデビューし、'06年にJRAへ移籍した岩田。名門・藤原英昭厩舎で修行を積みJRAデビューした息子を誇らしく思うのはもちろんだが、騎手として少しうらやむようにも聞こえた。そしてこうエールを送った。

「あいつ自身が、岩田康誠の息子やからというのを重圧じゃなくて、抜かしたるという気持ちで人生を送ったら、必ず抜くと思う。絶対抜くと思うし、来年再来年のあいつがどうなってるのかな、っていうのを見てみたいですね。楽しみです」

 多くのGIレースをその手綱で制してきた岩田が父親として語る息子への思い。今号は「ディープを超えろ」というテーマでディープ産駒を取り上げているが、騎手父子が作り出す未来の物語も目が離せない。

【次ページ】 浜中は「家族のために、とかは一切思っていない」。

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