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マンCのプレミア3連覇へ最大の懸念、
CB問題をペップはどう解決する? 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2019/09/28 11:50

マンCのプレミア3連覇へ最大の懸念、CB問題をペップはどう解決する?<Number Web> photograph by Getty Images

プレミア3連覇を狙うグアルディオラ監督。シティの戦術をさらに進化させることはできるか。

フェルナンジーニョか有望株か。

 フェルナンジーニョはアンカーが適性だけに、周りがよく見えている。ボールを運べ、キックの精度も非常に高い。

 しかし、179cm・67kgの痩身だ。空中戦で狙われると苦戦は否めない。ワトフォード戦もプレミアリーグ屈指のタフガイ、トロイ・ディーニーが健在(膝の負傷。復帰時期は未定)であれば、異なる展開も考えられた。

 ニューカッスルのアンディ・キャロル、クリスタルパレスのクリスティアン・ベンテケといったストロングヘッダーは、フェルナンジーニョに空中戦を挑んでくるだろう。また、バーンリーも闘いにくい相手だ。アシュリー・バーンズ、クリス・ウッドの2トップは、誰よりも肉弾戦を好んでいる。

 エリック・ガルシアはバルセロナのカンテラで育ち、2シーズン前からシティの下部で鍛えられている。フィードのセンスはグアルディオラも認めるところだが、まだ18歳。当面は国内カップ戦で経験を積まなければならない。イングランドU-19代表テイラー・ハーウッド・ベリスも同様だ。

ストーンズが復帰しても不安が。

 従って現状、CBはオタメンディとフェルナンジーニョだけだ。ストーンズが復帰する11月初旬まで、プレミアリーグの対戦相手はエバートン、ウォルバーハンプトン、クリスタルパレス、アストンビラ。チャンピオンズリーグはディナモ・ザグレブとアタランタ。クリスタルパレスは前述した通りで、アタランタを率いるのは、戦略家のジャン・ピエロ・ガスペリーニである。ラポルテとストーンズを欠いた陣容で回すのは、なかなか苦しい。

 いや、ストーンズが復帰しても、シティのCBには不安が付きまとう。

 昨シーズン終盤、バンサン・コンパニ(現アンデルレヒト・プレーヤーマネジャー)に定位置を奪われた事実でも分かるように、ストーンズは中盤戦に犯したイージーミスの連続で自信を失った。オタメンディ同様、一昨シーズンはスーパーな出来だったのだが、いまではエバートン時代のスリリングなCBに逆戻りしている。

【次ページ】 経済的な理由で補強に待った。

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