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もう“東京五輪後”を見据えている、
フェンシング協会は改革を恐れない。

posted2019/08/03 18:00

 
もう“東京五輪後”を見据えている、フェンシング協会は改革を恐れない。<Number Web> photograph by Kyodo News

世界ランキング1位となった見延和靖。トップランクになった日本人選手は、太田雄貴会長以来、2人目となる。

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太田雄貴

太田雄貴Yuki Ota

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Kyodo News

 2017年8月に、日本フェンシング協会の会長に就任してから、2年の任期があっという間に過ぎました。

 そして、2019年6月30日に開かれた日本フェンシング協会の総会及び理事会で、会長に再任されることになりました。

 これまでの2年間、成果もありましたが、まだまだ取り組むべき課題も数多く残されています。とにもかくにも、トライ&エラーでスピード感を持って取り組んできたことを評価いただき、もう2年、会長という立場で頑張ることになります。身が引き締まる思いです。

 これからの2年、ということは、大きな山である来年の東京五輪が間にはさまる形となります。

 ならば、ここからおよそ1年、「TOKYO 2020の前までに取り組むべきこと」とは、いったいどんなことなのか……。

五輪後に向けての動きを始めるべき。

 僕は、今こそ「ポストTOKYO 2020」、五輪後に向けての動きを、いますぐに始めるべきこと、と位置づけました。

 まず、身も蓋もないお話になってしまいますが、主としてスポンサーの問題、資金面での取り組みです。

 五輪までは、スポーツ界に入ってくる資金はおそらく潤沢でしょう。しかし、五輪後、その資金が引き続き同じレベルでスポーツ界に投下されるかというと、極めて厳しいのではないか、というのが私の見立てです。

 その状況下で、東京五輪後もスポーツの価値、フェンシングの価値、未来をどうしたら明るいものとして見せていくことができるのか。そして、補助金頼みでなく、自主財源として多くのスポンサーと共に歩んでいく体質にシフトすることができるのか……。

 僕たちが自分たちのアセットを活用して、スポンサー企業の持っているブランド価値を世に訴求する、という点においては、これまでの取り組みで成功例が出て来ています。

【次ページ】 スポンサー企業との良好な関係。

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