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西川潤、染野唯月ら逸材が沖縄に集結。
過酷なインターハイを勝ち抜く高校は? 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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posted2019/07/24 17:00

西川潤、染野唯月ら逸材が沖縄に集結。過酷なインターハイを勝ち抜く高校は?<Number Web> photograph by Takahito Ando

青森山田の10番を背負うMF武田英寿(J1浦和内定)。1回戦の相手は強豪・前橋育英だ。

ボランチ王国・前橋育英の新コンビ。

 だが、初戦で立ちはだかる前橋育英もかなりの力を有している。

 前橋育英といえば、山口素弘(元日本代表)、松田直樹(故人、元日本代表)、細貝萌(現・ブリーラム・ユナイテッド/タイ)、田中亜土夢(現・セレッソ大阪)、六平光成(現・清水エスパルス)、鈴木徳真(現・徳島ヴォルティス)、秋山裕紀(現・アルビレックス新潟)など、優秀なボランチを数多く輩出してきたことでも知られているが、今年もダブルボランチにハイスペックな選手を揃えた。

 3年生の渡邉綾平と2年生の櫻井辰徳のコンビは、戦術眼とボールキープ力、パスセンスに長け、中盤の底でチャレンジ&カバーとパスでリズムをとりながら攻撃をコントロールする。特に2年生ながら偉大なる先輩たちが背負ってきたエースナンバー「14」を背負う櫻井は注目株だ。正確なファーストタッチから相手の裏を突くパスはかなりの精度を誇る。

 他にもゴール前での一瞬のスピードでDFを振り切ってゴールを決めるFW倉俣健など、今年に入って台頭してきた3年生がチームを活性化。強豪ひしめくプリンスリーグ関東で3位に位置するなど、全国的に見ても実力はトップクラスだ。

 前回選手権王者と前々回選手権王者の対決であり、かつ2年前のインターハイでは3回戦で激突し、前橋育英が勝利を収めているなど、因縁の多い両者。しかし、このハイレベルな戦いを突破しても、優勝までの道のりは平坦ではない。

 なぜなら、このビッグマッチの勝者の次なる相手が、こちらも優勝候補の大津(熊本)と決まっているのだ。

プレミアWESTでも上位の大津。

 大津はプレミアWESTにおいて3位をキープ。1位・京都サンガU-18、2位・ガンバ大阪ユースとは同じ勝ち点19で並び(得失点差で3位)、十分に優勝を狙える位置にいる。

 ボランチの佐藤悠平が攻守の要となるが、大津の最大の魅力は両サイドアタッカーの質の高さにある。右からは鋭いドリブル突破と精度の高いラストパスを繰り出す樋口堅大、左からは変化に富んだドリブルで相手を翻弄し、高い決定力を誇る濃野公人が一気に仕掛けてくる。ここに成長著しい半代将都と宮原愛輝の2年生ツートップが絡んでくると、さらに多彩な攻撃が展開される。

 大津の強みは攻撃だけではなく、守備の安定もある。立野航海と金子遼太郎のCBコンビは試合を重ねるごとに安定感が増し、プレミアWESTで最少失点を誇っている。

 攻守両面でバランスの取れた大津とぶつかるこの一戦は、間違いなく2回戦最大のビッグマッチになるだろう。

【次ページ】 東福岡は静岡王者と激突。

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